横浜市では今年度、横浜型VPP(仮想発電所)構築事業を拡大するため、港北区内の小学校11校に蓄電池を設置する。その後は、他校への展開検討を進めつつ、取組みの有用性を事例として発信することで民間にも広げたい考え。
市が有用性確認
VPP(バーチャルパワープラント)とは、ビルや家庭等の蓄電池や発電設備、電気自動車などを高度なエネルギーマネジメント技術により、遠隔・統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させることで電力の需給調整に活用する仕組み。温暖化対策を推進している横浜市では、日本初のモデルとして2016〜17年度の2カ年で、地域防災拠点に指定されている市内小中学校36校において公民連携でVPP構築事業に取り組み、平常時と非常時の機能等を評価し、有用性を確認した。
新たに蓄電池が設置されるのは、「新横浜都心、日吉・綱島地区を中心とした環境モデルゾーン」となっているエリアのうち、地域防災拠点に指定されている11校。日吉台・矢上・駒林・日吉南・北綱島・綱島東・綱島・大豆戸・菊名・篠原西・篠原の各小学校が対象となる。
非常時は防災用
蓄電池の容量は、平均的な一般家庭の電力使用量の1・5日分に相当する15キロワット。平常時は最低3キロワット程度を確保し、ピーク時の電力需要量を低く抑えるなどのピークカット等に運用する。
非常時には、電力を防災行政無線や避難者リスト作成用のパソコンなどの電源に活用する。
また、太陽光発電設備のある学校では、蓄電池と連係させ電力を供給するという。
契約事業者は東京電力エナジーパートナー株式会社。横浜市によると、小学校で使用する電力の供給内容に「平常時における電力系統からの電力供給」と「非常時における蓄電池による電源保障」をあわせた電力契約でVPP構築事業を実施するのは、国内初という。
VPP電力供給期間は2019年1月1日から6年間。今年12月末日までを蓄電池設置等の運用準備期間としている。
横浜市温暖化対策統括本部プロジェクト推進課では「今後もVPPの取組みを他校や公共施設に展開したい。また、事例を積極的に発信することで民間にも広がっていけば」としている。
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