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港北区版 公開:2020年6月4日 エリアトップへ

綱島の飲食店 ひとり親家庭の力に 弁当を無償提供

社会

公開:2020年6月4日

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「お腹いっぱい食べて」と上枝店長(写真中央)
「お腹いっぱい食べて」と上枝店長(写真中央)

 大衆酒場 上ル(あがる)食堂(綱島西1の9の8の1階)では、一人親家庭への食事支援を行った。外出自粛を受け、家事負担が増した各家庭をサポートしようと、無料で弁当を提供。当初の予想を上回る利用があり、上枝博樹店長は「大変な時期を過ごす人々の支えになることができたのでは」と手応えを口にした。

自身に姿重ね

 新型コロナウイルスにより、多くの飲食店が打撃を受けている。同店も、苦しい営業状況にあったというが、支援策を始めたのは上枝さんの強い思い。自身も母子家庭で育ち、その大変さも人一倍知る上枝さん。近隣地区の飲食店が、一人親家庭への食事支援を行っているのをSNSで知り、「自分も何か力になりたい」と決断した。

 5月21日から31日までの期間、一人親家庭に(親と子どもの合計人数分の)お弁当の無料提供を行った。用意したのは”元気がでる上ル弁当”。「一番は、とにかくお腹いっぱいになってほしい」とメニューはボリューム満点。栄養面も気にしつつ、唐揚げやだし巻きたまごなど子どもに人気の料理を盛り込んだ愛情たっぷりの弁当だ。支援開始直後から予想を上回る利用があり、「大変な状況にあることを再確認した。日々頑張っているシングルファザー、シングルマザーの方々を少しでも支えることができ嬉しく思う」と振り返った。

”立ち上ル”きっかけに

 今回の活動を含め、コロナ禍の苦しい期間を支えてくれたのが、”常連客”の存在。外出自粛により、営業も制限される中、食事チケットの購入や(可能な範囲内での)テイクアウトの利用を積極的に行ってくれた。食事支援も、常連客に発信したところ、周囲にPRしてくれ「利用者の多くは、常連さんからの口コミで来てくれた」という。「改めて、多くのお客さんたちが店を支えてくれていることを実感できた」

 「食べるのが大好きで、”食”を仕事にしたかった」と料理の世界へ。地域への恩返しを胸に2015年に、幼少期を過ごした綱島の地に開店。店名の”上ル”には、自身の苗字に加え、「美味しい料理でお客さんのテンションが上がる。サービスを通してスタッフの人間力も上がる。そんなお店にしたい」という想いを込めた。5年の年月を経て「(今回の支援策を通し)お世話になってきた地域に恩返しをすることができたかな」と笑顔を見せた。

今後、生産者支援も

 緊急事態宣言が明けてからも苦しい状況は続くとし、今後は協力金などを活用した”生産者支援”のアクションを視野に入れる。「周囲で困っている生産者の方から食材を仕入れ、新しいメニューを提供できればお客さんも喜んでくれるはず。いい仕組みを作りたい」と思案する。

 8月には開店5周年を迎える。「盛大に祝いたかったけど、先がどうなるかは分からない。だけどそんな時だからこそ、地域に食を通して、困難から”立ち上ル”パワーを届けていきたい」と力強く語った。

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