市政報告Vol.50 住民投票制度の課題と、議会の役割について 横浜市会議員 さかい誠
緊急事態宣言が発せられるなど、令和3年は、あらゆる政策を用いた新型コロナウイルス感染症との戦いで始まりました。闘病中の方へのお見舞い、また、亡くなられた方へのお悔やみを申し上げます。
昨年末に、市民団体が19万筆余の署名とともに「IRの賛否を問う住民投票条例制定の直接請求」を市長に提出しました。これを受け、地方自治法に則って臨時会が開かれ、私が担当する政策・総務・財政常任委員会で議論し、1月8日の本会議で委員会報告の賛成多数として否決されました。
なぜ、本条例は否決なのか?その論点を整理させていただきます。
まず、横浜市が進める「イノベーションIR」は、新型コロナの影響で進捗が遅れ、横浜市の考え方としての実施方針案が議会に提出されたのは昨年12月でした。今後、事業提案の募集が始まりますが、施設の規模や依存症・犯罪対策、地域貢献などの具体的な内容が明らかになるのは、これからです。つまり、中身もわからない事案に対して住民投票を行うことは、議会が議論を、そして役割を放棄したことにつながります。
次に、市民団体の提案では、公布後60日以内に住民投票となります。緊急事態宣言が発出される中、賛成派、反対派が市内各地で意見を訴え、ビラを配ることは、果たして現実的といえるのでしょうか。
さらに、住民投票制度が、本当に民意を反映するものなのかという疑問があります。
政策に対し、人それぞれ賛否両論があるのは当然のこと。議会では、さまざまな知見を集め、賛成派、反対派の双方が真剣に議論を交わし、結果には付帯意見でいろいろな考えを反映させることもできます。投票率が低い中でも過半数で賛否を決めてしまう仕組みが民意と言えるか疑問ですし、そもそも議員8人以上で住民投票の発議は可能です。にもかかわらず、署名活動を展開したことにも政治的な思惑を感じざるを得ません。
私たちは選挙で選ばれた市会議員としての矜持を持って否決しましたが、市民の政治参加という課題も受け止め、今後もその職責を果たしていきます。
PCジャングル本店だからできる中古PC・モバイル商品・アウトレット家電のLIVE配信4月25日19時スタート https://tigmedia.jp/live/watch?id=90a8e585c52c02bab9a7&tatag=townnews |
|
<PR>
|
|
|
|
|
|