可愛らしい花々が流れるように前へせり出した、長さ2m40cmほどもある見事な菊の懸崖。日々、繊細な手入れが必要な懸崖を、趣味で作り続けているのが、横溝孝治さん(90)だ。
カブや小松菜を中心に出荷する農家で、現在は息子の政司さんが家業の中心を担っているが、今も現役で畑に立ち、農作業を続ける。その合間に、大切に世話しているのが菊の懸崖だ。菊の栽培は60年以上にもなり、現在はコロナ禍で昨年から展示の機会がなくなっているが、例年は師岡熊野神社と杉山神社の菊花展で飾られてきた。七五三の時期で着物を来て写真を撮っていく人もいたといい、「見て喜んでもらえるのが嬉しくて。それを目標に続けてきた。菊を通じた仲間もできる」と語る。
樽町でかつて盛んだったカブ作りは16歳の頃から続ける。「おいかぶ」という栽培法で出荷するのは樽町で1軒のみとなったが、今も雑草一つないきれいな畑を保ち「畑に草を出したらおしまい」と、真剣な眼差しを向ける。一方、菊の懸崖は、どのくらい成長するかを見越して作った枠の網目に、花芽を一つずつ結え、誘導させていくという。花が均等に咲くように行う摘心など、その作業は1年がかり。スケジュール管理のための記録も欠かせない。
健康の秘訣を聞くと「胃が弱いので消化に良いものを食べている」と語るが、お酒も好きだ。年賀状はパソコンで宛名書きし、正月に親族で集まった際は魚を捌いて刺身にして振る舞う。4年前に他界した妻にプレゼントしたミシンで、ほつれた服の裁縫も。
「私は頭は悪いけど」と謙遜しつつ、「何でもやるのが好きなんです」と、今日も畑に立つ。
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