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港北区版 公開:2022年2月3日 エリアトップへ

誕生100年 知られざるセーラー服の歴史 大倉精神文化研究所・刑部氏に聞く

文化

公開:2022年2月3日

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 「洋服を着て暮らす」という今では当たり前の文化。その誕生に大きく関わったのが「セーラー服」だという。セーラー服の誕生100周年となった昨年末に、その知られざる歴史を書籍にまとめた著書『セーラー服の誕生 女子校制服の近代史』(法政大学出版局/3300円)を上梓したのが、大倉精神文化研究所(港北区)客員研究員の刑部芳則さん。日本の女性が洋服を着るきっかけとなった制服の歴史を刑部さんに聞く。

*  *  *

 1921年9月に日本国内で初のセーラー服が誕生したのは、愛知県の金城学院。そもそもセーラー服が導入された背景にあったのが、大正期の服装改善運動。和服の機能面・衛生面の欠陥を克服するために始まった運動で「まずは子どもたちから」と教育現場に洋装の制服としてセーラー服が導入された。

 神奈川県では同年11月にフェリス和英女学校が導入。横浜のミッション系女学校を中心に、特徴的なデザインのセーラー服が生まれていった。学校の象徴ともいえる新しい制服は女学生の憧れの的となり、伝統のデザインは長く引き継がれているものもある。「横浜共立学園の制服は90年以上の歴史があり、4世代にわたって同じセーラー服に袖を通したなんてことも。デザイン性の高さから、石川県の学校が模倣した歴史もあります」

 そしてセーラー服で学生時代を過ごした女性たちが担い手となり生まれたのが戦後の「洋裁ブーム」。洋服に抵抗感がない新たな世代が中心となり、成人女性の洋装化の文化が始まった。

正しい歴史、伝えたい

 学生時代から学校制服の歴史に興味を持っていた刑部さん。しかし、その正しい歴史が書かれていないことに衝撃を受けた。「定説とされている、関東大震災で着物の人が逃げ遅れたことで洋装化が進んだという説は根拠がない。そんな誤った説が広まらないよう、正しい歴史を自分が伝えたかった」と10年かけて全国900以上の学校をすべて調査し、書籍をまとめた。「制服には管理教育のイメージがあるが、実はそうではない。女学生たちの憧れであり、洋服文化の礎となったセーラー服の歴史を知ってもらたい」

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