写真集『中国残留婦人―家族―』を7月に刊行し、市内で写真展を開催した 千島 寛さん 新吉田東在住 66歳
人生写す一枚、記録重ねて
○…売られ、或いは家族の元から連れ去られ、縁のない地で生きるには結婚しかなかった―。敗戦後、様々な理由で旧満州から帰国できなかった日本人女性たち。1995年から22回に渡り訪中し中国残留婦人4人とその家族を撮影。4人は亡くなったが、日中国交正常化50年の今年に写真展と初の写真集出版。「撮影し話を聞かせてもらった。自分が発信しないとその思いに応えられない。天国まで伝われば」
○…青森県出身で大学時代から区内在住。フリーランスカメラマンとして自身も趣味という卓球の競技写真や学校関係と幅広く撮影してきた。27年前、ボランティア団体の手伝いの際、帰国中の中国残留婦人に誘われたのが縁で現地へ。周辺各地の婦人らも訪ね活動が開始。泊まり込みも伴う近しい間柄から、飾らない表情が写真に写る。
○…帰国の願いと中国で築いた家族を思う気持ちとの葛藤。家族に言えない胸の内も聞いた。敗戦後、中国で日本人の夫と生き別れた女性は2人の実子を亡くした際、ソ連軍への恐怖で葬式もできず、おいてくるほかなかったという。「一緒に弔いに行きましょう」。悲しみから一度も再訪できなかった女性と、今は草むらとなっているその場所で手を合わせた。女性は「一人じゃ来られなかった」と感謝した。
○…3年前には初めて娘と中国へ。「一緒に行きたいと言われて」と嬉しそうな顔をのぞかせる。撮影では「一枚見ればその人の苦労、気持ちが伝わる。そんな写真が撮れれば」。婦人らの話で感じるのは「戦争は殺人、破壊、性的暴力。異常な状態」ということ。「二度といけませんよ。私たちの様な立場の人間が出てしまうから」と預かった伝言を胸に戦争のない世の中を若い世代に託すべく先を見据える。
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