ロシアがウクライナ侵略を開始したのが2022年2月。1年以上経った今も終わらない軍事侵略。この戦争により多くの避難民が生まれた。
戦闘での負傷により除隊したウクライナ人の元志願兵、イゴール・ユカリチュクさんが4月20日、日本に避難してきた。戦争で負傷した怪我のリハビリのためもあるが、日本人にウクライナで起こっている戦争について伝える目的がある。
空手道禅道会(本部/長野県)のウクライナ支部長でもあるイゴールさんは、現在、空手を通じた縁から長野県に滞在し、ウクライナで処方された薬を飲んで治療を続けている。来日時の国会議員らの協力に対して感謝を伝え、神奈川支部にも支援の輪を広げるために、横浜に足を運んだ。
戦争の実情
イゴールさんは志願兵として戦闘参加した理由について「母国を守るためには、戦うしか選択がなかった」と語る。対戦車部隊でRK―2ステューフナ―Pというミサイルで応戦した。自身が戦場にいた時は恐怖を感じることはなく、何の感情もなかったと戦場での日々を振り返る。
イゴールさんによると「ウクライナ軍がロシア人を捕まえても何もしないが、ロシア軍は違う」とロシア軍を非難。さらに、「ロシア軍は戦争での使用が制限されている爆弾を使用している」と主張し、自身も実際に被害にあったという。
「ウクライナで起こっている戦争は、戦争映画と同じだ。爆弾やミサイル攻撃、自爆ドローン攻撃により、大きな街はほとんど壊された。攻撃は兵士に対してだけでなく、むしろ住民の方が狙われている。毎日のように戦っていて、約15万人の兵士が死亡したと言われているが、国民はその2倍が死亡したと考えられている」と母国の苦境を訴える。インフラが破壊されている現状については、「何もできない。新しく何か建てることもできず、人が住むこともできない」と悔しさを口にする。
イゴールさんの願い
「毎日多くの人が命を落としている。一日でも早くウクライナが勝ってほしい。そして占領された領土を返還してほしい」と力を込めて話すイゴールさん。さらに「空手は元気な子どもの成長のために必要だ。終戦したら、再びウクライナで子どもたちに空手を教えたい」と言葉を加えた。
現在の状態は「膝の負傷はあと少しで治ると思う。脳震盪後症候群による視力低下や気持ちが落ち込むことがある。精神的なことだから治るまで時間がかかるだろう」と話す。それでも、母国に負傷兵士のリハビリセンターを設置しようと奮闘している。
難民守る支援を
同会では、戦禍に巻き込まれた縁者を支援するために「禅道会ダニエラ基金」を立ち上げた。イゴールさんへの継続支援のほか、インフラが破壊された現地に強アルカリ水生成器を届けるプロジェクトも進行中だ。
「イゴール氏への支援、強アルカリ水生成器プロジェクト共に、支援団体だけでは資金を賄うことが難しいため、皆様にご協力を賜りたい」と同会。
寄付支援(銀行振込の場合)は、「特定非営利活動法人 日本武道総合格闘技連盟 飯田信用金庫 高森支店 普通口座4745355」。詳細はホームページ(https://daniela.fund/)から確認を。
![]() 寄付支援のホームページはこちらから
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