老人福祉センター横浜市菊名寿楽荘で、利用者の活動を補佐するシニアボランティア(SV)の3人が、eスポーツの横浜市代表として、10月19日から22日まで鳥取県で開かれる「ねんりんピックはばたけ鳥取2024」に出場する。先ごろ横浜市役所で行われた、前哨戦ともいえるシニア向けeスポーツ全国大会では、出場した2人が優勝、準優勝という成果をだした。ねんりんピック金メダル獲得へ向け、調子は上向きだ。
ねんりんピックは、主に60歳以上のシニア世代がスポーツや文化を通じて交流を深める全国的イベント。健康保持や増進、社会参加、生きがいの高揚を目的に、1988年から毎年開催され、36回目を迎える。今回初めてeスポーツが正式種目となり、3人一組で、「太鼓の達人」という和太鼓リズムゲームで、得点を競い合う。
市代表として出場するのはキャプテンの猪俣みひろさん(73)、杉山たえ子さん(69)、佐原眞理恵さん(68)の3人だ。3人は菊名寿楽荘のシニアボランティア団体「S・V・Cはなみずき」のメンバーで、2023年6月から、利用者のカラオケ交流のサポートとして活動を開始。同館が2024年3月に、認知症予防などの目的でeスポーツを導入すると、利用者に教えるために、まずは自分たちが練習を開始した。「実はまだ半年なのよ。最初は全然叩けなかった。でも楽しみながらやっていたら、自然とうまくなっていった」と猪俣さん。
大会では、課題曲7曲の中からランダムで選曲される3曲をプレーする。「ちょっとのずれが得点に影響する。フルコンボをとれるよう、集中しつつ、楽しみながら臨みたい」と猪俣さん。「普段の練習の成果を発揮できれば。3人で力を合わせて頑張る」と力を込める。杉山さんは「利用者さんや家族が応援してくれて、気持ちが高ぶってきた。テンポの速い曲が苦手なので、『ウイリアムテル』や『フニクリ・フニクラ』が選ばれたら、佐原さんに任せるわ」と笑顔で話す。その「フニクリ・フニクラ」が得意だという佐原さんは、9月22日に横浜市役所で行われた神奈川県主催の全国大会で優勝した(2位は猪俣さん)。佐原さんは「ねんりんピック直前の良い練習になった」と話し、「蚤の心臓だが、練習時のようにリラックスして力を出したい」と意気込む。
10月4日には菊名寿楽荘で、インターネットで荒川区の施設と中継するeスポーツ交流会が行われ、利用者はボウリングゲームの勝負を楽しんだ。猪俣さんと杉山さんは利用者のサポートで参加。最高得点297点をたたき出した土谷智子さん(86)は、「結果はまぐれ。でも猪俣さんのアドバイスのおかげね」と話し、「ねんりんピックでは良い結果を出してきてほしい」とエールを送った。
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