横浜市の有形文化財に指定されている飯田家住宅(綱島台/内部非公開)で今、カヤのふき替え作業が行われている。
今回、ふき替えが進められているのは、築130年の主屋のカヤぶき屋根のうち、北面と、住宅の正面にあたる西面で、22年ぶりの工事。家主の飯田助知さん(81)によると、陽当たりの影響で主に北面の傷みが進んできたため、西面と合わせてふき替えをすることにしたという。
施工は、茨城県のカヤぶき屋根工事専門の有限会社茅匠(かやしょう)(伊藤正章代表取締役社長)。今年1月17日に工事を開始し、2人体制で雨天時以外は、ほぼ毎日作業を行っている。完工は3月中旬を予定している。
カヤは山梨県忍野村産。一束5〜6kgのカヤを約千束使用する。2月21日午後3時ころは、西面の古いカヤを、新しいカヤにふき替える作業の真っ只中=写真。両面のふき替えが完了すると、上部から刈り込み、すべての作業を終える。
同社社長で職人の伊藤さん(60)の話では、カヤぶき屋根のふき替え周期は、およそ20年。風向きや日光の照り具合により異なるという。
「カヤは軽くて長持ちする。空気を含むため夏でも涼しい」と話した飯田さん。「貴重な文化財でもあるので、長く残していけたら」と屋根を見上げていた。
飯田家は旧北綱島村の旧家。代々名主として続き、荒地の開墾、農業の振興、鶴見川の改修などに尽力した。
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