神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
港北区版 公開:2019年3月21日 エリアトップへ

世界ダウン症の日特別インタビュー 「人生、楽しんじゃえ」 タレント・あべけん太さん

社会

公開:2019年3月21日

  • LINE
  • hatena
あべけん太さん(右)と父・俊秀さん
あべけん太さん(右)と父・俊秀さん

 3月21日は世界ダウン症の日。「ダウン症の人の多くに21番目の染色体が3本ある」ことから同日に定められ、世界各地でイベントが行われる。楠の木学園(小机町)卒でタレントのあべけん太さんは、当事者として啓発に勤しんでいる。今の彼はどうやって形成されてきたのか、話を聞いた。

 現在はIT企業で働きながら、タレントとしてNHKEテレ「バリバラ」などで活躍を見せる。2月11日に行われた同記念日のキックオフイベントでは、笠井信輔アナウンサーとともにMCを担当。父・安部俊秀さんと全国各地で講演会も行い、普段の様子などを語りながらダウン症であることの誇りを伝え続ける。

幼少期のジレンマ

 「生まれてダウン症だと分かった時、絶対に隠すのは嫌だった」。俊秀さんはけん太さんの手を引き、仕事の取引先などどこへでも連れて行ったという。人との出会いを重ね、話すことが大好きな子どもに成長した。可能性を伸ばしたいと小中学校は普通級へ。周りにいる児童のサポートは手厚く、「けんちゃんがいたから温かいクラスになったよ」と保護者に声をかけられたことも。楽しい毎日を送る一方、俊秀さんには「劣等感を抱いてはいないか」という心配が。そこで出会ったのが「楠の木学園」だった。

クラスの中心に

 同校は発達障害や不登校などの子どもが通うフリースクール。本科で3年、専攻科で2年通学した。生徒を尊重し、枠にはめない自由な校風のなか、けん太さんの個性が開花した。一つはクラスの中心人物となったこと。様々な課題を抱えるクラスメイトを引っ張っていく立場になった。「やりすぎて総スカンを食らったことも。それも社会勉強」と俊秀さんは微笑む。また、積極的に挑戦をするようになったのも入学してから。学園発表会では太鼓や大道芸、劇などを舞台で披露し、人前へ出ることに喜びを感じるようになった。

 プライベートでは自らの希望で運転免許の取得に挑んだ。実技試験は難なく合格。しかし、最大の壁だった運転免許試験場の学科試験はなかなか突破できず。周りは努力を称え止めようとしたが、「いや、頑張る」と揺るぎなく、見事55回目で合格を果たした。

「ダウン症最高!」

 2017年に自著「今日も一日、楽しかった」を出版した。題名は日記の最後に欠かすことなく書く一文。この言葉の通り、ダウン症でも明るく人生を謳歌していることを知ってもらいたいという強い信念を持つ。現在、新型出生前診断でダウン症の有無を調べ「産まない」選択をする人は決して少なくない。だからこそ俊秀さんは「けん太も最初からできる子どもだったわけじゃない。それでも伸び代は無限。諦めないで育ててほしい」と訴えるのだという。「ダウン症の人は、人生楽しく生きています。最高!」

<PR>

港北区版のローカルニュース最新6

「夭逝の天才」に捧ぐ奏楽

第68回大倉山ジョイコン

「夭逝の天才」に捧ぐ奏楽

5月19日 港北公会堂で

4月18日

不登校について考える

不登校について考える

YGS高等部でセミナー

4月18日

5年ぶり開放、賑わい

5年ぶり開放、賑わい

金藏寺で花まつり

4月18日

日常小物の陶器展

日常小物の陶器展

大倉山で4月22日〜26日

4月18日

特殊詐欺2件のほか、自転車盗4件、オートバイ盗、自動車盗未遂、万引き等が発生

【Web限定記事】港北警察署管内

特殊詐欺2件のほか、自転車盗4件、オートバイ盗、自動車盗未遂、万引き等が発生

2024年4月1日〜4月7日の犯罪発生件数

4月18日

「子ども」「まちづくり」を意識

「子ども」「まちづくり」を意識

市「図書館ビジョン」策定

4月18日

あっとほーむデスク

  • 4月20日0:00更新

  • 2月18日0:00更新

  • 6月25日0:00更新

港北区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook