横浜市 映画生かし観光客誘致 「コクリコ坂効果」モデルに
横浜市は、映画を生かして街の魅力をアピールし、観光客を呼び込む取り組みを始める。昨年、横浜が舞台の映画「コクリコ坂から」の上映をきっかけに市内観光客が増加したことから、そのモデルを観光客誘致に生かす。その一環として今日、港の見える丘公園(中区)に同作品の記念パネルなどを設置する。
(株)スタジオジブリ(東京都小金井市)が制作した「コクリコ坂から」は、1960年代の横浜が舞台。観客動員数355万人、昨年の邦画興行収入は1位だった。市では東日本大震災の影響で落ち込んでいた観光客を呼び戻そうと、上映期間中に行政、企業、地域が連携し、関連イベントを数多く実施。映画舞台を巡るスタンプラリーに約1万3千人が参加したほか、風景原画展を行った横浜開港資料館や作品に登場した「氷川丸」の入場者数は前年比で約1・4倍増となった。
「すべてコクリコ坂の影響とは言えないが、行政だけではできない大規模なプロモーションやイベントを官民連携で行って、観光客を呼び込むことに成功したのは間違いない」と市は話す。
官民連携が集客のカギ
市では、この成功事例をもとに、現在公開中で横浜が舞台のアニメ映画「プリキュア」でも、映画制作会社と連携し、作品の中で登場する市内のスポットを巡るスタンプラリーや記念撮影ができるプリキュアフォトスポット巡りなどを開催。第二の「コクリコ坂効果」を狙う。今月27日(火)には、パシフィコ横浜で林文子市長らを招き、横浜の観光に関するフォーラムを開催。映画を生かした観光客誘致の戦略などについて官民が意見を交わす。
記念スポットが誕生
また、「コクリコ坂から」の舞台となった港の見える丘公園に、宮崎吾朗監督直筆のイラストなどが入った記念パネルと主人公が掲げる「旗」の掲揚ポールを設置。22日午後1時15分から、市民を招き設置式を行う。
記念スポット近くにある商店主は「公園に新たな観光スポットが加わるのはうれしい。ジブリファンも多いので、再び街も人で賑わうはず」と期待する。市は「企業や地域と連携しながら、今後も映画を最大限に活用して、横浜の魅力をアピールしていきたい」と話している。
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