神輿保存会の会長として、花籠の伝統を伝える 内田 朝徳さん 池辺町在住 46歳
伝統行事に魅せられて
○…「花籠の感動を少しでも受け継いでいきたい」。9月22日 に杉山神社(池辺町)で行われる例大祭。同祭は秋の豊作を願い、戦前から行ってきた伝統ある行事だ。花籠は人の2倍ほども高さがあり、回すとカサのように広がる竹細工。赤やピンクに染めた和紙でつくるたくさんの花で装飾されたものだ。その作成と、当日の演舞の指揮を執る。「演舞者が年々減っているなかで、今年は若い人も演舞に参加する」と感慨深げだ。
○…一般的には祭礼で神輿の露払いとして掲げて歩く花籠だが、同祭では花籠を大きく回すなどの独自のパフォーマンスで毎年大勢の観客を魅了する。「演舞によって花籠の開き方が変わる。これが美しいんです」と目を輝かせる。美しく見せるために大切なのはバランス感覚。15kgほどある花籠は重心が上にあるため、かなりの筋力とバランスを保つコツが必要となる。「もともと教えるのが好きで。教えたことができるようになったときは感動の一言」
○…川崎市生まれ。昔からじっとしていられない性格で「いつも走り回っていた」と幼少期を振り返る。33歳で池辺町に移った時、連合自治会長のすすめで自治会に加入。当時から行われていた同祭で、色鮮やかに開く花籠に感動した。「あの時の興奮は今でも覚えています」と気持ちは昔から変わらない。現在では自治会内の青少年指導員会長と、3年前に立ち上げた神輿保存会会長などを兼任し、地域の活性化にも尽力している。
○…自他ともに認める多趣味。最近では料理にも凝っていて、一から食パン作りをするなど、好奇心は旺盛だ。スポーツにも情熱を注ぎ、野球、ボウリング、スキーも得意。特にスキーではインストラクターの手伝いをするなど、教え上手な一面も。趣味も活かしながら後世に技術を継承していく姿はまさに”花籠の伝道師”。地元を盛り上げ、今年もまた伝統が引き継がれてゆく。
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