花教室「ゾンヌブルーム」を主宰する 渡部 里枝子さん(雅号 渡部玉溪) 中川在住 50歳
花で癒しの空間へ
○…「花を生けていると、悩みがどこかに飛んでいく。その感覚が心地良い」と花の魅力を語る。10月27日までYOTSUBAKO内で作品展を開いている花教室「ゾンヌブルーム」の主宰を務める。「気くばり、心くばりがテーマ。多くの人に楽しんでもらえたら」。会場では生徒たちによる約60の作品が並び、訪れた人の足を止める。
○…千利休の長男、千道安を始祖とする華道流派、千家古流芙蓉会の副家元として活動。生け花の手法を取り入れたフラワーアレンジメントなど、新しい表現方法で花を生け、人に安らぎを与える。それは日本の伝統である華道をよく理解しているからこそできる技。華麗に咲く満開時だけでなくつぼみの時や、枯れそうな時にも着目し、命あるものの時の移ろいを表現する。「時間の流れと、変化を楽しめる。それを生徒にも体感してもらいたいです」
○…磯子区生まれ。生け花を始めたのは6歳のころ、同流派家元の叔母にすすめられたのがきっかけ。「6歳の6月に習い事を始めると大成すると言われて。言われるがまま始めました」と振り返る。25歳で結婚し、翌年には娘を出産。慣れない子育てに悪戦苦闘し、ストレスがたまる日を送ったことも。そんな時に助けられていたのがやはり花だった。「花を生ける時は心が無になれる。すっと体が楽になる」。時間を忘れて楽しむストレス解消法となった。当初、教室は主婦同士で開いた小さなものだったが、口コミで広がり、現在は100人ほどの生徒を抱える。今後は海外開講も視野に入れ、花の魅力を世界へ広めていきたいという。
○…区内にとどまらず、東京都などでも教室を開くため多忙な毎日を送る。そんな中でも夫と、3人の子どもを支える母親の表情も見せる。「先生である前に妻であり母なので、家族との時間は大切にしています」とほほえむ。家族に元気をもらいながら、観る人を和みの空間へいざなう。
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