都筑区民文化祭のオープニングステージで書道パフォーマンスを行う 中川 スミさん(雅号 中川雪花) 勝田町在住 76歳
筆で伝える和の心
○…今年で17回目を数える都筑区民文化祭。1月19日(土)から2月3日(日)の間、都筑公会堂や区民ホールでパフォーマンスや展示、イベントが催される。そのオープニングステージで書道パフォーマンスを披露する。「文化祭を盛り上げたい」と願いを込め、3m四方ほどの大きな和紙に魂を込めた一筆を書く。「以前は『笑』と書きました。今年はまだ内緒です」とお茶目に笑った。
○…自宅で書道教室を開く。生徒は小学生から80代までと幅広く、約60人が在籍。生徒からは優しい先生と慕われている。丁寧な指導が信頼を与え、親子で通う家庭も。指導する中でのポイントは「9誉めて1注意する」こと。これは自身が京都で学んでいた先生の指導法。師匠の教えを受けついで、都筑で筆を握る楽しさを伝えていく。「教えるのは楽しい。私が生徒に教わることもたくさんある」。教室を開いて30年。書道歴は70年になるが、やりがいは尽きない。
○…秋田県生まれ。やりたいと思ったことはなんでも挑戦する子どもだった。書道と出会ったのは小学生の時。習字の授業で先生に誉められたのがきっかけでのめりこむ。当時の雪国では電気も不安定で停電することもあった。そんな時はろうそくの明かりで練習するほどだった。結婚を機に都筑に移るが、夫と息子に先立たれ、悲しみに暮れたことも。しかしそんな時、助けてくれたのはやはり書道。「どんなに悲しくても、筆を握れば無になれる。心が落ち着くんです」。毎日生徒が教室に来るため、寂しさはない。書道に魅了され、その楽しさを発信するが、同時に助けられている。
○…書道のほかに水墨画、華道、茶道などもたしなむ。自身の書道作品と生け花を背景に、お茶をたてることも。最近は海外で書道の個展を開くこともあり、「愛」、「絆」などの漢字は人気があるという。優しい表情で伝える和の心は国境も越えていく。
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