4月1日付で都筑消防署長に就任した 星川 正幸さん 相模原市在住 55歳
頼れる大黒柱
○…「目の前で助けを求めている人の立場になること。何度も出動する中で慣れてしまうのではなく、常に『市民目線』で仕事をすることが信頼につながる」。署長就任の挨拶で、署員150人を前にそう話した。南消防署長を経ての着任。前任地は市内で最も平均年齢が高かったが、都筑は子育て世代が多い街。「新しい住民が増えている街だからこそ、隣近所で助け合う共助の意識を一層呼び掛けていきたい」と、ニュータウンならではの課題を感じ気を引き締める。
○…現場の出動に奔走した若いころは毎日が無我夢中。「昔は今よりも火事が多かったですね。木造が主だったので広がりも早かった」と振り返る。その後消防大学校の教官や消防局指令課長などを経験し、51歳で神奈川区の消防副署長に。海に面したこの街で11年の東日本大震災を経験した。そこで改めて実感したのは、消防団の存在の大きさ。海沿いに住む高齢者の安全を確認するなど自発的に行ってくれたという。「力添えがありがたかった」と、市民の支えに感謝する。
○…生まれは東京都目黒区。「友達と野球したり、鼻たれ小僧でしたよ」と笑う。数学が得意で、大学は工学部に。火災や爆発などについて学ぶ安全工学を専攻した。40代前半で消防の研究開発課に所属したときにはこの専門が活きた。空気と水を混ぜて霧状に放水する消火法を開発し、特許を取得。ミニ消防車などに導入された。仕事のモットーは、基本を大切にすること。「災害が起きないように予防することが重要。安全の基盤を築いていければ」
○…休日は妻とショッピングへ。「カートを押したりして、普通のおじさんですよ」と優しい表情。2人の息子は既に成人を迎えた。これまで成長を見守ってきた頼れる「お父さん」の一面ももつ。家庭も職場でも、みんなをしっかり支える大黒柱だ。これからもその堅実さで、市民の安心・安全を守っていく。
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