WBC世界フライ級王者の八重樫東選手(30)は昨年12月6日、同級1位のエドガル・ソーサ選手(メキシコ)を判定で下し、2度目の防衛を果たした。そのわずか3日前、後楽園ホールでプロデビュー戦を勝利で飾ったボクサーがいる。横浜高校2年の平岡アンディ選手(17)だ。実は、2人はともに旭区内で徒歩圏内に住む「ご近所さん」。頂点に立つ者と、そこを目指す者―。近くて遠い、そんな2人のボクシング対談を本紙が企画した。
◇ ◇
――今日、初対面ですか。
八重樫「名前を聞いたことはあったけど、会って話すのは初めて。大きいね」
平岡「180cmです」
――平岡選手は父親がトレーナーでしたね。
平岡「はい。小学4年生の頃から花形ジム(都筑区)に通ってます。グローブを初めてつけたのは5歳です」
――八重樫選手は高校時代に始めたと聞きました。
八重樫「16歳ですね。その前は野球にバスケ、いろんなスポーツをやりました」
――世界チャンピオンに聞きたいことは。
平岡「試合ですごくあがってしまう。この前もリングに上がってから、緊張で頭が真っ白になりました」
八重樫「それ、逆にした方がいい。僕は控室で緊張するようにしてる。そうすれば、リングに上がったときには腹くくれるから」
――八重樫選手は高校時代どんなタイプでしたか。
八重樫「高1でボクシング始めて、ずっと自信はなかった。(優勝した)高3のインターハイのとき、1週間で6試合あって、初戦はすごく緊張したけど何とか判定勝ち。その後も1日ずつ必死だったけど、そのとき初めてボクシングに対する自信みたいなものが生まれた気がする。まあ、今も全然自信ないけれど」
平岡「デビュー戦は練習でやってきたことが出せなくて。ちょっとでもパンチをもらったら、やられるかもしれない怖さを感じた」
八重樫「新人王戦はトーナメントだから、クリアできたら自信になると思う。でもそこがゴールじゃない。高校卒業後はどうするの」
平岡「まだ決めてません。でも、ボクシングでチャンピオンになりたいです」
八重樫「なる?」
平岡「なります!」
――八重樫選手は試合が怖いと思ったりしますか。
八重樫「僕も怖いですよ。そこは、戦う雰囲気に気持ちをもっていく。基本、試合中のことを全然覚えてないんで。集中して自然に体が動くようになっている。集中すれば怖さも消える」
――平岡選手は陸上選手としても活躍していますね。
平岡「陸上はボクシングのためにやってる感じです」
八重樫「走るのは高校を卒業しても続けた方がいい」
――今後の夢や目標は。
平岡「まず1月10日の2戦目をいい形で勝って、4月からの新人王戦に臨む」
八重樫「強い選手と対戦しないと伸びない。負けても水準は上がるからね。今年は春に試合をやります。プロとしてお互いプライドを持って頑張りましょう」
平岡「テレビで八重樫さんの試合を観ていたら、スピードがあってかっこよかった。今日もいい話をたくさん聞けてよかったです」
八重樫「純粋さがあってすごくいい。人の話を素直に聞く力は、伸びる要素の一つ。理想を描いて追い続ければ、もっと強くなるはず。今年、来年で名前が通る選手になるんじゃないかな。今後に期待しています」
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