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横浜市 「お泊りデイ」に独自基準 実態把握し環境整備へ

掲載号:2014年6月5日号

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 在宅介護を支え、利用ニーズが増える一方で安全面の課題が指摘されている「お泊りデイ」(注)。横浜市は指定通所介護事業所(デイサービス)等で行っているこの宿泊サービスについて運営指針を定め、5月1日から施行している。東京都などではすでに独自の基準を定めているが、政令市では初となる。

 市が今回指針を定めたのは、介護保険制度外のため行政が実態を把握しきれず、指導に入る根拠がなかったためだ。全国的にも一部施設での男女同室や雑魚寝など、劣悪な環境下でのサービス提供や利用者のけが、死亡事故の事例があったため、安全確保やプライバシー保護、防災管理体制などの事項を設けた。

 指針には宿泊者の上限を昼の利用定員の2分の1とすることや、事業所の規模に応じた介護職員の配置、緊急時の連絡体制の整備などをあげている。また、宿泊日数の上限を定めないなど、先行実施する東京などとは異なる市独自の方針も打ち出す。「指針は利用者を最低限守る仕組み。上限を決めることが利用者にとって必ずしも適切でない場合がある」と市健康福祉局の担当者は話す。利用者の心身の状況に合わせて必要なサービスを提供しようと、事業所とケアマネジャーの連携も盛り込んでいる。

 神奈川県の実態調査では、市内で「お泊りデイ」を提供する事業所は2011年12月時点で46カ所だったが今年2月には85カ所に増加。今後は届け出制にし、事業所数や状況などの正確な実態把握を目指す。

入所待ちで利用者増

 普及の背景には利用者を取りまく環境がある。市内の特別養護老人ホームの入所待ち者は5290人、要介護3以上はそのうち3795人(4月時点)で、在宅介護が不可欠だ。こうした状況に対応し「お泊りデイ」とは異なる、宿泊・通い・訪問を含む包括的サービスを提供する施設はあるが、料金が割高になるなど「使いづらさ」も指摘される。その一方で「お泊りデイ」については利用者が翌日デイサービスを利用するケースも多く送迎が不要など事業者側の利点もある。

 2年前から「お泊りデイ」を提供するささゆりデイサービス長津田事業所の星野嘉美施設長は「普段通い慣れた場所は利用者も安心。新たに契約しなくてよい利便性もあるようだ」と話す。市は「今年度は趣旨や内容の周知を徹底する」とし運用の中で実情に合わせた見直しを検討するとしている。

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