4月1日付で都筑消防署長に就任した 小林 栄次さん 戸塚区在住 58歳
「ありがとう」を糧に40年
○…消防士歴約40年。初めて署長職に就任した。長い経験の中でも、都筑の地は初めて。「おしゃれなスポットもあれば、自然豊かな場所もあって、バランスがとれている街」と印象を語る。144人の署員を先導し、持ち前の正義感で安全、安心な都筑を目指していく。
〇…就任前は現場の指揮を統括する警防部の課長を務めた。災害時はスピードと正確さが求められ、ひとつの判断ミスが命取りとなる。火事の現場では迅速な救助のため、消火活動の準備時間を少しでも縮められるよう努めた。また救助では常にけが人がいることを想定し、指示を出してきた。今できることは、これまで培ってきた経験を後世に伝えること。「市民の命を救って『ありがとう』と言われる仕事は数少ない。署員には誇りを持つように話しています」。また市民はもちろん、隊員たちの命を守るのも任務のひとつ。今後の街の安全を担う若い世代を思い、大ベテランとしてできることを考えている。
〇…19歳で消防士になり、現場を中心にさまざまな部隊や課を経験してきた。119番の電話対応する通信指令室にいた頃は、お風呂で溺れた児童の心肺蘇生術を電話で指導したことも。パニックに陥る母親を落ち着かせ、助けを呼ぶように指示し、正確な蘇生術のもと一命を取りとめた。「『命の恩人』なんて大げさなものではないけど、お礼を言われるとやっぱりうれしい」と笑顔。重くのしかかる責任で仕事にプレッシャーを感じたこともあったが、これまで続けられたのは市民の「ありがとう」に支えられてきたからだ。
〇…異動したばかりで多忙な日々を過ごす。これまで縁のなかった街だが、「都筑の緑道を家内と散歩したり、孫と一緒に買い物をしてみたい」と話し、オフの日は家族思いの一面を見せる。これからは区民の目線に立ち、さらに暮らしやすい街を目指すため、緊急時の準備を整えている。
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