本紙で連載している「鬼の一〇八言」のコーナーで、鬼のイラストや文字を担当している栗原満直さん=写真・東山田町在住=に、作品製作への思いなどを聞いた。
20年以上前から、東山田郷土資料館を運営する栗原さんは、東山田町の歴史を紹介する冊子や昔の農具などを自宅で展示している「歴史好き」。「鬼の一〇八言」は5年前、新宿の花園神社で行われた節分祭で見た宮司と鬼の問答が創作のきっかけだった。
問答の中で、食べ物をもらう代わりに、人間界には二度と来ないという約束を破った鬼に、宮司が「人間は鬼とは違い約束を守る」と追い返す場面がある。ここで栗原さんは「今の時代、人間が起こす悪質な事件はたくさんある。本当は人間のほうが(鬼より)悪いのではないかと」創作意欲につながったという。
以来、オニオコゼや鬼蜘蛛といった「オニ」と名のつく動植物など、息抜きを兼ねて鬼にまつわる様々なものに焦点を当てた作品を描くようになった。時には愛嬌溢れる人間らしい鬼の一面や、鬼の目線で世の中を風刺する内容を絵と言葉にして書き溜めていった。
TVのニュースなどを見ていてアイデアが思い浮かぶと、思いのままに筆を走らせる。煩悩の数とかけて「一〇八言」としたが、「描きたいものが次から次へと溢れてくる」ため、今では140作品以上もあるという。
「書き始めた当初はいかにも鬼らしい強面の鬼の絵を描いていたけど、おどけた顔の方が滑稽で面白い。見てくださる人に楽しんでもらえたら嬉しい」と栗原さんは笑顔で話す。
近隣小学生の社会科見学や地元での講演、作品の展示など資料館の運営を通常通り行いながら、これからも感じたことを鬼の絵と言葉に乗せていく。
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