第95回全国高校ラグビーフットボール大会に神奈川代表として出場した桐蔭学園高校=青葉区鉄町=が11日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で行われた決勝戦で東海大付属仰星高校(大阪第一代表)に31―37の僅差で敗れ、初の単独優勝を逃した。2年ぶり4度目の準優勝。
決勝は2年前の同大会と同じ顔合わせとなった。東海大仰星は、前回の対戦で14―19と惜敗を喫した因縁のライバル。完全アウェーの雰囲気の中、齋藤直人主将(3年)を中心に自分たちの強みである継続ラグビーを展開し、最後まで戦い抜いた。
前半3分に先制トライを許すなど序盤は我慢の時間が続く。徐々にペースを掴むと前半20分に左ラインアウトからFWがサイド攻撃を仕掛け、最後はプロップの石田楽人(3年)が左中間に体をねじ込みトライ。
流れを引き寄せた桐蔭学園は4分後、攻撃を18回続けて相手防御を翻弄し、センターの齊藤大朗(2年)が逆転トライを奪った。その後1トライを返され、2点離されて前半を終える。
後半、守備システムを変更した東海大仰星を攻めあぐね、逆に失点を重ねてしまった桐蔭学園。15点差となった後半26分、15人が一体となった攻撃で再び石田が右中間に潜り込みトライ。
齋藤主将のゴールも決まり、8点差に迫る。しかし、後半28分に東海大仰星にトライを奪われ、点差は13点に。残り時間を考えると、逆転は難しい状況になった。
「らしさ」出し切る
この時、齋藤主将は円陣を組み全員に呼びかけた。「ボールを大事にしてトライを取って終わろう。今できることをやりきろう」
ロスタイムになり、プレーが切れれば試合終了という状況の中、時間にして3分以上、28回に及ぶ連続攻撃を仕掛け、最後は石田がインゴールに飛び込んでトライ。「自分たちの強みをしっかり出すことができた」と力強い走りで何度も相手守備を崩したプロップの高北卓弥(3年)は振り返る。齋藤主将のゴールも決まり、6点差。ノーサイドの笛が鳴り響いた。
「ここでは圧倒的な力をつけなければ勝たせてもらえない」と藤原秀之監督。最後まで仲間を鼓舞し続けた齋藤主将は涙を拭い、言葉を絞り出した。「たった一つのミスでもトライにつなげられてしまう。そこを意識して取り組んでほしい」。頂点を目指す戦いは、後輩たちに引き継がれた。
報告会も開催
12日には準優勝報告会が同校で行われ、藤原監督と選手たちが報告を行った。同校の平岩敬一理事長は「今回の結果をバネに、それぞれ成長していってほしい。学園の誇り、感謝したい」と労った。齋藤主将は「自分たちの力は出し切れた。応援に感謝したいです」と話していた。
また、メンバーは13日に黒岩祐治県知事を表敬訪問。黒岩知事は「最後の最後まで前へ進み、ギリギリでトライした姿に心から感動した」と選手らを称えた。
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