池辺町の花形ボクシングジム(花形進会長)に所属する元日本王者の大平(おおだいら)剛(ごう)選手(31)が3月3日、タイでWBC(世界ボクシング評議会)世界ミニマム級(47・6kg以下)王座に挑戦する。大平選手の世界タイトル挑戦は14年12月以来2度目。前回の敗戦を教訓に世界と戦う体力を磨いてきた。同ジム所属では02年以来、2人目の世界王者を目指す。
大平選手は軽やかなフットワークと左構えのサウスポーから繰り出すカウンターが持ち味。対戦相手が「戦いづらい」という変則的なスタイルで勝利を積み重ね、14年1月に同級の日本王座を獲得した。
同年12月31日、日本人の高山勝成選手と世界王座を争いKO負け。2倍以上の試合経験がある高山選手に完敗だった大平選手は「引退を考えた」と振り返る。
敗戦から3カ月後、気持ちが定まらないまま臨んだ再起戦で何とか判定勝ちした。大平選手は「応援してくれる人の喜ぶ姿を見てもう一度続けようと思った」と現役続行の意志を固めたという。現在までの戦績は12勝(1KO)4敗3分。
積み重ねた努力
大平選手の一日は朝5時30分からのロードワークで始まる。現在の世界ランキングは7位だが、試合で得るファイトマネーで生計を立てるのは難しい。日中は都内のスポーツショップで働き、夜は池辺町のジムへ。練習を終え、帰宅は11時。この生活を10年間続けてきた。同ジムの花形会長は「真面目な選手が世界王者と戦うまでになった。イチかバチか精一杯やらせたい」と愛弟子の悲願達成を願う。
中盤で失速した高山戦の教訓から、この1年は心拍数を上げる練習で基礎体力を強化。体のバランスを保つ体幹トレーニングにも取り組んだ。デビュー当初から大平選手を指導する伊藤勲トレーナーは、「体重で10kg以上重い選手を相手に実戦練習を繰り返した。状態が良くなってきている」と手応えを口にする。
大平選手が挑戦するタイのワンヘン・ミナヨーティン選手は40戦無敗の強敵。日本人選手のタイでの世界王座挑戦は過去20回成功例がない。2月13日に記者会見を行った大平選手は、「前回(高山戦)が一生に一度のチャンスと思ったが運がある。悔いが残らないように戦う」と決意を固め、敵地のリングに立つ。
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