ボランティアで腹話術の公演を行って850回を超えた キャサリン野村さん (本名 野村 佳子さん)青葉区在住
「夢は1000回公演」
○…横浜北部を中心に地域イベントや老人ホームなどで腹話術を披露して回る。1月30日の「つづき人交流フェスタ2016」での出演がちょうど850回目の舞台だった。相方はやんちゃなケンタくんやおしとやかなサクラちゃん、動物の人形など計10体以上。客層に合わせてネタを変え、歌やマジック、観客との掛け合いで見る人を引き込む。「舞台から見るお客さんの笑顔が宝物。もっと腹話術の楽しさを伝えたい」
○…中学時代、内気な自分を変えたいと演劇を始め打ち込んだが、両親の反対で一度はその道を諦めた。ピアノの演奏指導や日本語講師をしながらも、演じることの楽しさを忘れられずにいた15年前のある日、テレビでいっこく堂を見て「これだ!」とひらめいた。教室に通い、声がかれるまで練習を重ねた結果、2年という早さで憧れのいっこく堂と同じラスベガスの世界大会に出場を果たす。「真面目だったり意地悪だったり、人にはいろんな一面がある。めいっぱい感情を出せる舞台上が一番素の状態なんです」とはにかむ。
○…「私、あの時一度死んだと思っていて」。物心つく前からピアノに触れていた。東京音楽大学を首席で卒業し、ピアニストの夢に向かって歩み出した最中、「医師の誤診で」右腕が動かなくなった。一時は切断とも言われ、目の前が真っ暗に。幸い回復したが、心境には大きな変化が生まれた。「それまで自分のことばかりだった。人のためにできることをしようと決めた」。ボランティアで各地を巡るのはそれがゆえんだ。依頼はほとんど断らず、必要としてくれる人のところへ笑顔を届けに行く。
○…公演は月に8回ほど。腹話術が好きだから苦に感じたことはないという。気分転換は最近始めたタップダンスだ。「ピアノや演劇など、人生のすべてが腹話術につながっている。目標は1000回公演。喜んでくれる人のためにこれからも続けたい」
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2022年5月12日号
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