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市庁舎 解体せず活用へ 市、移転後の方向性示す

経済

掲載号:2016年5月12日号

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 2020年に中区北仲通への庁舎機能移転が決まっている横浜市はこのほど、現市庁舎棟に関し「関内の歴史を継承する施設として、解体せず活用する」ことを基本とした利用計画を検討する方針を明らかにした。

 市は関内駅周辺地区のまちづくりを議論する組織として一昨年設立した「横濱まちづくりラボ」が示した提案の実現性を探る作業を年明けから進めてきた。

 開発・不動産業者、大学など25の民間事業者の事業提案を受け、土地活用の方向性を検討する市場調査を実施。先月末までに「国際的な産学連携拠点の形成」と「観光・集客の拠点形成」の2つのテーマを柱とした土地活用の方向性をまとめた。

 市都心再生課は「関内駅周辺の将来のまちづくりにつながることを重要視した」とテーマ選定の理由を挙げ、「次世代につながる新たな産業の創出につながり、これから増えることが予想される来街者をこのエリアにも呼び込むことで賑わいを形成したい」と展望する。

 期待感の一方で土地利用の方向が示されたことを受け、関内まちづくり振興会の秋山修一会長は「現実味がなく、まちづくりが一歩進んだという印象はない。教科書的な発表で現実味がないと感じる」と話した。

「歴史的価値高い」

 事業提案では市庁舎棟に関し「解体するべき」という声もあったが、市は最終的に既存建物を解体せず活用する方針を決めた。その背景には事業費抑制や移転後早期の利用開始などの理由に加え、赤レンガ倉庫に代表されるように「古い建物を活かす」という、開港以来の横浜のまちづくりの歴史も考慮されたという。

 庁舎棟は日本建築界の巨匠として知られる村野藤吾が設計し、1959年に開港100周年事業の一環として竣工。同課担当者は「歴史的な価値も高く、建屋を利活用することで、町の歴史を継承し、新しい価値の創造が図れる」と話す。

賑わい低下危惧

 時代が昭和から平成に変わって以降、関内地区ではオフィスの都内への移転などもあり、労働人口が大幅に減少。4年後、市役所機能が移転することで約6千人の市職員の流入が見込めなくなり、さらなる賑わい低下が懸念されている。

 現在、市は庁舎周辺の約20の民間ビルなどと賃貸契約を結び、業務にあたっているが、庁舎移転後のテナント需要に関して「産学連携のまちづくりを進める中で、新たな需要も生まれると考える。オーナーの方々の声も聞きながら対応していきたい」としている。
 

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