横浜市は8月29日、福島第一原子力発電所の事故に起因する一定の基準値を超えた、放射性物質を含む指定廃棄物(※)を今年度中に北部汚泥資源化センター(鶴見区)へ移管することを決めた。同廃棄物は市内の公立17校の敷地内に保管されており、区内では市内最多の6校に未だ置かれている。
区内の保管校は南山田小、都筑小、東山田小、茅ケ崎東小、東山田中、早渕中の6カ所。指定廃棄物は、校舎に降った雨水をトイレの洗浄水として再利用する「雨水利用施設」に溜まった汚泥で、ドラム缶の中に保管されている。原発事故後、5年以上が経過した今も、市内18区のうち、7区の公立小中学校と1区の特別支援学校に合計約3t分あるのが実情だ。
市は6月下旬の市放射線対策本部会議で「学校以外の保管場所を選定するにあたっての確認事項」について話し合い、候補地選定の6条件を示していた。先月29日の同会議で鶴見区の北部汚泥資源化センターを移管先に決定した。
約3tの指定廃棄物のほか、市立26校にある汚泥約7t、保育園などで発生したマイクロスポットの土壌も搬出。市は今後、保管庫を新設した上で、学校の冬休みか春休みを利用して、今年度内に指定廃棄物などの搬出作業を行う。新設される保管庫は床面積約100平方メートルの平屋建てで、高さ約3・6m程、地震や津波の影響を考慮した建物になる。
指定廃棄物を学校で保管している自治体は、全国で横浜のみ。同廃棄物はそもそも、国が責任を持って処理を行うとされているが、最終処分場のめどが立たず学校での保管が長期化していた。市教育委員会事務局は移管に関わる費用について「国や東電に費用負担を求める」としている。
学校外への移管を市に訴えてきた市民団体、学校・保育園の放射能対策横浜の会(樋口敦子共同代表)は「2年前から声を上げてきた。搬出先が決まって、すっきりした」と話した。
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