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”ハマの湯”の未来は 【1】 「いま一度、銭湯を生活に」

掲載号:2016年12月15日号

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浴場で準備をする山本さん
浴場で準備をする山本さん

 家庭の内風呂がまだ一般的でなかった戦後、人口増加とともに銭湯は急速に増え、1968(昭和43)年には横浜市内に347軒の銭湯があった。その後、水洗トイレと一緒に浴室が家庭に普及し始めたことで利用者は減り、経営者の高齢化や後継者問題により銭湯も徐々に姿を消した。94年から04年までの10年間では84軒が廃業するなど減少は続くが、今なお約70軒の銭湯が市内各地で近隣住民に憩いの場を提供している。



 市内の銭湯で組織される横浜市浴場協同組合の理事長・山本龍行さん(67)は、「澤の湯」(鶴見区)の三代目。祖父の久三郎さんが親戚から引き継ぐ形で1924(大正13)年に創業した銭湯だ。最盛期は昭和30年代で、「当時小学校は50人1学級で1学年10クラス以上あった」。夕方には子どもたちが友人やきょうだいとともに、また親に連れられて銭湯を訪れるのが日常だった。脱衣所には赤ん坊のためのベビーベッドがずらりと並び、子どもの着替えを手伝うための従業員もいたという。「子どもも一家に1人や2人じゃなかったからね。大忙しだったよ」。蛇口の数が足りないことも少なくなく、1カ月の利用者が1万人を超えることもあったという。

 大みそかには商店街で新しい下着を買い、銭湯で1年の汚れを落とす――。「そういうものが日本の文化だった」。澤の湯も改装を重ね、今では木造からビルへと建て替わっている。廃業も考えたが、「三代続いてきたお湯にはやっぱり思い入れがある」と営業を続けてきた。

 「風呂屋に来たことがないという親御さんも多い。そればかりか親が忙しくて、親子で風呂に入るという文化自体がなくなりつつあるんじゃないだろうか」と山本さんは懸念を口にする。「昔も今も銭湯は地元の人が利用するもの。各銭湯が地域ニーズに合った工夫をしていくことが重要」。再び銭湯が生活の一部になるよう、悩みながらも試行錯誤を重ねている。

(続く)

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