「まちづくり功労者国土交通大臣表彰」を受賞したぐるっと緑道の代表を務める 塩入 廣中さん 牛久保在住 70歳
住民の声が行動力の源
○…「住民が地域に関わることで、まちは魅力的に変わる」。駅前の安全性向上や花と緑の再生など、地元住民らが主体となり進めてきた活動が認められ、国土交通大臣から表彰を受けた。「私だけの力じゃない。中川に住む人の日頃の活動が評価されたことが嬉しい」と控えめな笑顔を見せる。
○…長野県生まれ。獣医だった父の仕事の都合で小学3年から5年まで牧場で生活し、牛や馬、豚などと一緒に過ごした。「夜中に出産に立ち会い、朝まで見守っていた」と動物思いの優しい少年だった。中学・高専時代は軟式テニスに熱中。「勉強そっちのけで部員とテニスに明け暮れたよ」。勝ちにこだわり続け、関東大会で優勝するほどの実力者だった。
○…高専卒業後は複写機を製造・販売するゼロックスに入社。ボランティア活動にも積極的に取り組む会社で、社会貢献の素晴らしさを学んだ。32歳で結婚。転勤を経て、中川駅が誕生したばかりの25年前、都筑区に移住した。「山は崩され何もなく、スーパーにも車を出さないといけなかった」と当時の印象を語る。「新しいまちをきれいに維持しよう」と地域住民で月1回の駅前清掃を始めたのが団体の始まり。「より良いまちづくりのため、住民の声に耳を傾けた」。困った人を助けずにはいられない性格と行動力は現在も健在だ。
○…好奇心旺盛で定年の60歳を迎えると、中国語を学ぶため北京へ留学。その後も慶應義塾大学文学部の通信制に入学し、7年の猛勉強の末、卒業した努力家だ。そのほか、障がいがある子どもにコーチとしてテニスを教えるなど忙しい日々。「まちづくりには終わりがない。表彰を励みに次のステップへ。…ステップが多くても大変なんだけどね」。さらなるまちの発展に全力を尽くす。
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