区内在住の三宅早苗さんと大橋明美さんのコンビ「まんまる紙芝居」は、折本町の堂ヶ坂にある早苗地蔵を題材にした紙芝居を制作し、区内を中心に上演している。
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三宅さんと大橋さんは昔懐かしい文化を現代の子どもに知ってもらおうと、約6年前から荏田東にある鴨池公園まんまるプレイパークで紙芝居の読み聞かせを行っている。
市立図書館から紙芝居を借りていたが、都筑の民話をテーマにした紙芝居がないことに気付いた。「私たちが作るしかない」と使命感に駆られた2人は、区南部で長く語り継がれてきた折本町の早苗地蔵にスポットを当てることにした。
真宗大谷派真照寺(雲井耀一住職・折本町)の先々代の住職、雲井麟静氏が同地蔵について記した本「生命の泉」の内容をベースにし、2人が分かりやすくアレンジを加え脚本を書いた。絵は大橋さんの知人に依頼し、約3年掛けて完成させた。
かつて稲作地帯だった折本町で、用水路建設に携わった父娘を讃えるために作られた早苗地蔵。干ばつに見舞われ飢餓におちいることも多かった1530年頃、役人が用水路の建設を考えた。地蔵のモデルとなった僧の了信とその娘つがは、賛同し共に作業を進めたが山を切り通す仕事は当時としては途方もない計画。苦難の道のりの末、1539年に完成した。以後、豊作を願って若い稲を供えたことから早苗地蔵と呼ばれるようになった。
真照寺で9日、2人によるこの紙芝居が披露され、地域住民ら約20人が参加した。昔から聞いてきた話を確かめるように参加者は聞き入っていた。
折本小学校の榮秀之校長も訪れ「すばらしい。児童にも見せてあげたい」と述べ、雲井住職は「いつまでも語り継いでいってほしい」と願った。三宅さんと大橋さんは「紙芝居を通して、住民に少しでも都筑に興味を持ってもらえれば」と話した。
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