２０２１年の年頭にあたり、本紙では中野創都筑区長＝写真＝に新春インタビューを行った。中野区長は就任３年目の振り返りやコロナ禍での区運営方針、今後の重点課題などについて語った。
――就任３年目を迎えました。新型コロナウイルス感染症対策などに翻弄された昨年を振り返っていかがですか。
「昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初予定していた事業を新しい生活様式を踏まえた内容に変更するなど、区役所としても様々な対応をしてまいりました。毎年11月に実施している都筑区最大級のイベント『都筑区民まつり』についても、開催方法を模索しましたが、区制26年で初の中止という大変残念な結論に至りました。
地域の皆様におかれましても、顔の見える関係づくりや交流に大変なご苦労をされたことと思いますが、感染拡大に留意しながら、様々な工夫をもって繋がりづくりにご尽力いただき、心から感謝しています。
区民の皆様に、『ずっと住み続けたい』と感じていただくためには、安全・安心に暮らすことのできるまちづくりが不可欠です。安全・安心な暮らしを守る取組の一つとして、風水害時に避難者が多く見込まれる避難場所に、区内企業が製作した発泡スチロール製の間仕切りを整備するなど、感染症対策を進めています。
また、逼迫する保健所業務をフォローするため、区役所内部で応援体制を構築し、職員一丸となって、感染症対応に当たってきました」
――20年度の区運営方針の進ちょく状況についてお聞かせください。
「『つながり』『活力と魅力』『安心』を実感できるまちの実現を目指し、運営方針に掲げた各事業を着実に実施しています。
まず、第４期都筑区地域福祉保健計画『つづき あい』の策定に向けて、地域の皆様のご意見を頂戴しながら準備を進めています。地域活動団体や福祉施設等と行政がしっかりと協働する支え合いの仕組みづくりに引き続き取り組んでいきます。
また、都筑区は工業・農業をはじめ、産業が大変盛んな街です。区内経済を支える重要な基幹産業ですが、これらの産業も感染症の影響を少なからず受けており、行政としてもしっかりと支援していく使命があると捉えています。経済的な打撃を受けた企業等が適切な支援を受けられるよう、支援制度の情報を素早く発信するとともに、中小製造業支援や地産地消の推進に取り組んでいます。
さらに、都筑の魅力の一つである緑の維持・保全を図るために、緑道の再整備や緑化事業に取り組むとともに、公園愛護会などによる自発的な活動への支援・啓発を行っています。その一方で、緑と花の名所を巡るウォーキングイベントを開催するなど、美しい都筑のまちを楽しんでいただくための取組も実施し、ふるさと意識の醸成に努めています」
――都筑区の今後の重点課題や取組みについて教えてください。
「ウィズコロナの時代にあわせて、新しい生活様式に即した取組を推進していきます。子育て支援や高齢者向け情報の発信などを目的とした各種講座や講演会は、オンライン開催や動画配信を適宜活用しながら、必要とされる方に適切に情報がお届けできるよう事業を実施していきます。
また、コロナの感染状況を踏まえつつ、中小企業支援や商店街振興にも取り組むことで、都筑のまちを応援し、活気あふれるまちづくりに繋げていきたいと思います。
一方、近年では、台風やゲリラ豪雨による災害が甚大化している傾向があります。発災時の被害を軽減するためには、一人ひとりの減災行動や地域における支え合いが重要です。自助・共助の認識を高め、災害に対する日ごろからの心構えや発災時のための備蓄等を進めていただけるよう、効果的な啓発を行うとともに、自治会町内会をはじめとした地域の皆様としっかりと連携し、地域防災力向上のための取組を推進していきます」
――今夏には東京２０２０オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。都筑区独自の取組みなどを教えてください。
「オリンピック・パラリンピックを通じて得られる感動や学びを区民の皆様と一緒に分かち合い、未来に継承していきたいと考えています。
特に都筑区は、横浜国際プールが英国水泳代表チームの事前キャンプ地となることが予定されているほか、つながりの深いボツワナ共和国が横浜市のホストタウン登録国となっています。『ホストタウン』としての取組を通じて、スポーツの振興や国際理解、国際交流に取り組んでいきます」
――最後に区民の皆様へメッセージをお願いいたします。
「感染症拡大により油断できない状況が依然として続いていますが、今後も引き続き、地域・企業・団体の皆様のお力をお借りしながら、安全・安心で、活気と魅力あふれるまちづくりに努めてまいりますので、区政へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
本年が区民の皆様にとって素晴らしい年となりますことを、心からお祈り申し上げます」
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