横浜を拠点にウクライナの民族楽器「バンドゥーラ」の演奏活動を行う カテリーナさん 横浜市在住 35歳
「世界に平和を」
○…65本の弦からなり、5オクターブの音域を持つウクライナの民族楽器「バンドゥーラ」の奏者。3月10日には、象の鼻パークで東日本大震災を追悼するイベントに出演。歌声と演奏を披露した。市内の福祉施設のランチコンサートにも出演するなど、精力的に活動を行なっている。
○…ウクライナの出身。生まれた町はチェルノブイリ原発からわずか2・5Kmの場所にあり、原発事故により生後30日で家族とともに強制退去を余儀なくされた。原発事故で被災した子どもたちで構成される音楽団に6歳で入り、海外公演も。1996年に初来日。その後も何度か訪日する中で日本の人たちの優しさに触れ、日本で活動することを決意、2006年に移住した。
○…「多くの人がウクライナのことを全然知らないことに気づきました」と当時を振り返る。原発事故のイメージが強く、「暗い話ばかりで辛かった。だからウクライナのことをもっと知ってもらいたいと思った」。現在は音楽や衣装、言語、料理など、ウクライナ文化を広げる活動に力を注ぐ。戦火が迫るキエフに1人暮らしだった母マリヤさんを脱出させ、ポーランド経由で3月22日に日本に呼び寄せた。「怒りしかない。病院が攻撃されたニュースもあった。ひどすぎる」と笑みが消えた。
○…横浜市内に家族3人で暮らしてきた。祖国が侵略されるという信じ難い状況の中、わずかながらも心に平安が訪れるのは「歌っている時ですかね」と話した。「母は戦争が始まってから体調を悪くしている。心配」と胸を痛める。願いは「世界に平和を」だ。「これからもウクライナの伝統文化をしっかりと発信していきたい」。その故郷を思う強い気持ちが今を支えている。
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