「津久井やまゆり園事件追悼式」が厳かに執り行われました 神奈川県議会議長 しきだ博昭
去る7月26日、「津久井やまゆり園事件追悼式」が執り行われ、神奈川県議会を代表し、追悼のことばを捧げました。あの凄惨な事件を風化させることなく、「ともに生きる社会」の実現に向けた取り組みを推進していく決意を皆様と共有させていただきたく、私の「追悼のことば」を、以下、ご報告いたします。
『追悼のことば』
本日ここに、津久井やまゆり園事件追悼式が、厳かに執り行われるにあたり、神奈川県議会を代表し、謹んで、追悼のことばを申し上げます。
あの凄惨な事件により、19名もの尊い生命が奪われてから、6年目の朝を迎えました。
事件で亡くなられた方々と、最愛のご家族を失われたご遺族の皆様方に、改めて、お悔やみ申し上げますとともに、事件により、心身に傷を負われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
6年前の今日、早朝、厚生常任委員会に所属していた私の携帯が鳴り、県担当者から、事件の一報が入りました。
あの日から今日まで、県議会は、「ともに生きる社会かながわ憲章」の策定をはじめ、施設の再生、意思決定支援の取り組み、鎮魂のモニュメントの設置等について、真摯な議論を重ねて参りました。
こうした一連の経過を知る者の一人として、特別な思いを胸に、私は、今、この追悼式に臨んでいます。
私たち県議会は、この痛ましい事件を決して風化させることなく、二度と繰り返さぬよう、平成28年10月、県と共同し、「ともに生きる社会かながわ憲章」を定め、障がい者に対するいかなる偏見や差別を断じて容認することなく、すべての人の命を大切にし、一人ひとりの人格と個性が尊重され、誰もが、その人らしく暮らすことのできる地域社会の実現に向け、真摯に取り組む決意を内外に示すとともに、その理念の普及に努めて参りました。
入口に設置された鎮魂のモニュメントの一つ、清らかな水で湛えられた「水鏡」から流れ落ちる「十九本の細れ水」は、事件の犠牲となられた方々の、尽きることのない悲しみの涙であり、また、理不尽な事件により天寿を全うすることができなかった悔し涙のように、今日の私には映っています。
とめどなく溢れくる、この涙を、私たちは、決して、忘れてはなりません。
憲章を定めるにあたり、私たちが誓った「この悲しみを力に、断固とした決意をもって、ともに生きる社会の実現をめざす」との思いを、改めて、ご列席の皆様とともに、分かち合いたいと思います。
季節は巡り、どれほど月日が流れようとも、私たちは、決して、この事件を風化させてはなりません。
ご遺族有志の皆様が、「鎮魂の碑」に刻まれた「心 ともに生きる」の言葉に込められた願いを、私たち一人ひとりが深く胸に刻み、ともに生きる社会の実現に向けた歩みを、決して停滞させることなく、取り組みを推し進めていくことこそが、私たちの使命であるとの思いを新たにし、全力を尽くしていくことを、ここにお誓いいたします。
結びに、本日、ご列席の皆様とともに、謹んで、この事件で亡くなられた方々の御霊が永遠に安らかならんことをお祈り申し上げますとともに、ご遺族皆様の痛傷が些かなりとも癒えることを願いつつ、追悼のことばといたします。
令和4年7月26日
神奈川県議会議長
敷田博昭
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