折本小学校3年1組の児童は、同校の校章にある植物「野いばら」を再生させる活動に取り組んでいる。卒業するまでに花を咲かせ、校内にバラ園を作ることを目標にしている児童らを取材した。
来年70周年を迎える同校。開校当時、学区内のあちこちで自生していた野いばらのように「子どもにも清楚でたくましく育ってほしい」という願いから、真宗大谷派真照寺(折本町)の先々代住職である故・雲井麟靜氏が同校の校章を考案した。
しかし、3年1組の33人からは「野いばらなんて見たことない。今でも残っているのかな」という声が上がり、4月から授業の一環として花を探すことに。同寺院の雲井耀一住職や町内会員など、多くの人に会い情報を集めたが、見つけられなかった。捜索から4カ月経った頃、地域住民から大熊町在住の斉藤久一さん(69)の農地にあるかもしれないとの連絡が入った。
児童はすぐさま現地に駆けつけ野いばららしき植物を発見したが、開花時期が過ぎており自分たちでは判別できなかった。そこで仲町台にある種苗会社(株)サカタのタネの新井裕之さんに調査を依頼。葉の色や形などから、野いばらと確認された。斉藤さんは「言われてみれば昔はこの一帯白い花が咲いていた。子どもが忘れかけていた都筑の原風景を思い出させてくれた」と目を細める。
斉藤さんから枝を分けてもらった児童は、9月20日から挿し木にして花を再生させる取り組みを始めた。卒業までに花を咲かせ、いずれは校内にバラ園を作ることを目指しているという。
担任の白須沙也香教諭は「どんどん愛着が湧き、毎日水やりを取り合うくらい、子どもたちは本気で育てている」と話す。
「すみかを作りたい」
挿し木にしてから約1カ月経った10月23日、野いばらの様子を観察する授業が行われた。12本植えたうち2本は枯れてしまったが、残った枝からは葉や根が出ており、子どもたちは声を上げて喜んだ。高村みこさんは「人が大勢住むようになったから野いばらは少なくなったと思う。今度は私たちがすみかを作ってあげる番」と目を輝かせた。
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