本紙では2011年のスタートに合わせ、旭区の萩原博区長に新春インタビューを行った。高齢化や災害対策、子育て支援などのキーワードを掲げ、就任2年目の昨年を振り返りながら、次世代に残したい「ふるさと旭区」への思いを語った。(聞き手/本紙編集長・地主豊)
高齢者の健康づくりに成果
――昨年4月からの振り返りと、就任2年の総括をお願いします。
萩原―これまで「安心して、健やかに、暮らし続けられる、わがまち・ふるさと旭区」を基本目標に、地域と共に歩む姿勢で区政に取り組んできました。今年度は特に「高齢者の健康づくり」「子育て支援」「災害時の支えあい」などを重点テーマに掲げています。
重点施策の一つ「旭いきいき元気応援事業」では新しい試みとして、町内会館などを使った体力測定「いきいき健康づくり」を昨年15カ所で開催しました。毎回20人ほど集まり「参加してよかった」という声を多くいただいたので、来年度以降も続けたいですね。
全4回シリーズの参加型会議「あさひつながりの輪」では3回にわたって各回50人くらいが集まり、元気な高齢者が地域活動に参加できる仕組みづくりについて話し合いました。今までこのような交流の場がなかったので、新たな活動の広がりにつながるだろうと感じています。最終回は2月の予定です。
――高齢化率や待機児童数の現状はどうでしょうか。
萩原―旭区では65歳以上の高齢者数が横浜市内トップの5万9298人(昨年9月末時点)、区全体の23・4%に上ります。市の推計によると、2030年には36・6%、およそ3人に1人の割合になると予測されています。
また、林市長も重点課題に挙げている待機児童ですが、旭区は平成21年10月から1年間で110人から157人に増えています。
市だけでなく区としても、高齢者の方々をはじめ、区民の皆さんがいつまでも元気に暮らせる環境をつくらなければなりません。
――一昨年の旭区誕生40周年記念事業が、以後の区政にどう影響し、成果等が感じられたかについてお聞かせください。
萩原―平成21年度は記念事業の一環として、記念植樹やスポーツ大会、文化行事など202のイベントが開催され、延べ37万人が参加しました。参加を通じて、代々住み続けている方から新興住宅地の方まで幅広い交流の場ができ、旭区への愛着や一体感につながったと実感しています。
記念事業をきっかけに深まった絆がこれからも継続し、「自分の住んでいるまちをもっと良くしよう」という気持ちを育んでいただけるよう、地道にイベントなどを積み重ねていければと思います。
災害支援の仕組み整備へ
――平成23年度に向けた主な取り組みや課題、展望はいかがでしょうか。
萩原―今年度の「災害時地域の支えあい支援事業」では、速やかに救出や避難ができる仕組みづくりとして、要援護者の情報をリスト化し、区と4つの地区で共有しました。現状の旭北、笹野台、若葉台、白根に加え、今宿と希望が丘東、希望が丘南でも導入予定です。来年度は9地区での運用を目指します。
また、福祉保健等の拠点としてニーズの高い地域ケアプラザが、今宿西に今年完成予定です。未整備の笹野台でも実施設計を進めていますので、実現に向けて尽力します。そのほか踏切の高架化や道路整備、横浜環状鉄道など、多くの区民のニーズをきちんと市に伝えていこうと思います。
――最後に区民の皆さんにメッセージをお願いします。
萩原―これから乗り越えなければならない壁が数多くありますが、一方でスポーツや文化、芸術など多分野で地元校の児童、生徒たちの活躍が目立ちました。次世代を担う子どもたちの才能や好奇心を、さらに引き出せるような施策に強い必要性を感じています。
これからも区民の皆さんから「共感と信頼」をいただけるよう、職員が現場に出向き、地域と顔の見える対話を続けていきます。
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