3月11日に発生した、東北地方の三陸沖を震源とする巨大地震(東日本大震災)の被害を受け、全国の消防隊で組織された「緊急消防援助隊」が同日の発災直後から被災地へ派遣された。横浜市消防局からも出動し、旭消防署から6人が第2次隊のメンバーとして14日に出発。約3日間にわたり、宮城県で応援活動にあたった。
緊急消防援助隊は95年の「阪神・淡路大震災」を教訓に発足した制度。被災地の消防力では対応が困難なほどの大規模、特殊な災害の発災時に消防応援隊が出動する。
今回は18日時点で岩手、宮城、福島県へ全国から1558隊6099人が出動。神奈川県隊は19日時点で宮城、岩手、千葉県へ198隊780人、横浜からは18日時点で累計41隊191人が派遣された。
旭消防署(齋藤俊彦署長)から第2次隊で出動したのは、警備担当課長の今関篤さん(54)と市沢消防出張所消防隊員の滝浦良樹さん(33)ほか同所の隊員4人。今関さんは神奈川県隊の隊長として、現地で57隊228人を統率した。
向かったのは、仙台市宮城野区。港が近く、地震発生後30分も経たないうちに大津波に遭遇した地区だ。現地の住民によると「津波が山になって押し寄せて来た」という。
今関さんは津波に流され、車やがれきなどで荒廃した現地の様子を目の当たりにし、「この世のものとは思えない。津波の恐ろしさを実感した」と表現した。任務だった人命検索は、結果的にほとんどが遺体収容になってしまったという。
現地では仙台市の消防隊の指示を仰ぎ、活動した。「隊員の中には震災で家族を亡くした人や、行方不明という人もいた。自分も被災者なのに、不眠不休で救助にあたっていた」
地域のつながり、備えが不可欠
緊急消防援助隊は2004年に発生した「新潟県中越地震」の際は、全国から480隊2121人が出動。今回の18日時点の出動数だけで、当時の延べ出動数の3倍以上にあたる。
今関さんと滝浦さんは「逃げ遅れた多くの人が津波に流されてしまった。日ごろの準備、地域の助け合いの大切さを現地で実感した」とコメントした。
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