東日本大震災発生から4カ月が経過。横浜市では3月17日から、宮城県気仙沼市に医療チームを派遣してきたが、現地の医療体制が震災前の水準に近づいてきたことから、6月30日に派遣を終了した。
市の要請を受け、旭区からは聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(田口芳雄病院長)がチームの一員として参加。本紙では同院の医師・鈴木規雄さんと看護師・塩尻智恵子さん、市健康福祉局・石井淳さんに話を聞いた。
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鈴木さんと塩尻さんは6月12日〜18日の第29次隊として参加。塩尻さんは「現地の医療機関は復旧してきたが、そこに行くまでには交通費がかかる。財産をなくした被災者にとって交通費の支出は厳しいのでは」と指摘。通院が必要な患者が病院を後回しにしてしまうことを懸念する。医療機能は気仙沼市にバトンを渡したが、「今後もできる限りのことは支援したい」と話す。
市が行った今回の医療支援は、全国唯一の行政主導によるもの。市病院協会と2次救急拠点病院に参加を呼びかけ15病院が参加。1チームは医師、看護師、薬剤師、市の事務員の4〜5人で編成された。
鈴木さんは「市内の医療機関が混成されることで、病院にも負担がかかることなく被災地に行けた。今後も有効な方法」と振り返る。
一方、被災地には全国のチームが集まるため、書類をシステム化することなど課題も残ったという。
同院では市内最多の16人の医師や看護師が参加。しかし、人員不足などにより、病院ごとに参加した人数には差があった。石井さんは「今後は急な派遣にも応じられるよう、十分な医療体制を築くことが重要」と話した。
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