横浜市教育委員会では東日本大震災の発生を受け、「市学校防災計画」をこのほど改定した。「大規模地震」の定義や震災発生時の児童・生徒の預かり、保護者への引き渡しの基準を明確にしている。
「市学校防災計画」は横浜市防災計画を基本的な枠組みに、各校での防災計画策定の基準を示すものとして2006年に策定された。
しかし、防災対応をとる地震については「巨大地震」や「大規模地震」などあいまいな表現となっていた。そのため3月11日の震災当日は、各学校の防災計画に基づいて行動はしたが、初動対応が分かれた。
児童・生徒を帰宅させるか校内待機させるかの判断も「学校任せ」になっていたことから、当日は安否確認が混乱した。校内待機を夜(22時)までとった学校は、市内513校中137校と約4分の1だった。
保護者は自分の子どもが帰宅しているのか、校内にいるのかわからず学校に問い合わせするが、学校によっては停電などの影響で電話がつながらない状態が続いた。両親が不在の中、児童が一人で家にいた事例もあったという。
学校側もメール配信やホームページなどで情報発信したが、伝わらないケースも。保護者からの苦情もあり、震災発生時の対応が課題として浮かび上がった。 市ではこれを踏まえ、10人で構成される「学校防災計画見直し検討プロジェクト」を4月27日に発足。課題や文言のあいまいさの見直し、検討が行われた。
改定計画では、大規模地震の定義が「市内いずれかで震度5強以上の地震が観測されたとき」と定められた。その上で、大規模地震発生時は授業を打ち切り、小、中、特別支援学校は「保護者が学校に引き取りに来るまで預かる」。高校については「あらかじめ保護者から学校に預かるか下校させるかを聞き、原則はそれに従う」などとされた。これに加え、新たに津波への対応も追加された。
一方、各校で児童生徒を預かる場合の非常食などについては、今後の検討課題とされた。
市では「子どもたちの安全を第一に考えて改定した。今後は各校の特性を考えた防災計画の作成をお願いしたい」としている。
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