二俣川駅と鶴ヶ峰駅の区間を走るコミュニティバスの試験運行が4月2日から始まる。期間は7月末までの4ヵ月を予定。交通機関が通っていない旭中央地区にとっては待望の運行だが、採算性が継続へのカギを握る。
バスが通る旭中央地区は駅に向かう交通手段が整っていない。急坂が多く住民の高齢化が進んでいることから、コミュニティバス運行を求める声が10年以上前から上がっていた。
横浜市では、地域住民が主体となり、小型バスなど生活に密着した交通手段を導入する取り組みを支援する「地域交通サポート事業」を2007年に新設。交通空白地である同地区では、翌年に地域住民らが主体となり、旭中央地区コミュニティバス等検討委員会をつくり、旭区とともに協議を重ねてきた。
同地区連合町内会の内田恒夫会長は「『やっと』という気持ち。この4年間、事業者がなかなか決まらないなど間延びする時期もあったが、ようやく試験運行につなげられた。バスの運行には地域の力が必要。継続できるよう、協力してほしい」と期待を込める。
運行はタクシー会社「二重(ふたえ)交通株式会社」(本村町・篠崎智雄代表取締役)が担う。買い物支援を主な目的としていることから、平日の午前8時から午後6時の運行で、1日18便が走る。1回の乗車につき、一律300円(未就学児は無料)。二俣川駅前から鶴ヶ峰のディスカウントストア「ザ・プライス」の区間を結び、本村町や四季美台の町内を循環する片道約30分の経路をとる(表参照)。
試験運行の焦点となるのは乗客数に伴う採算性。同社によると、採算をとるには1日最低130人の乗車が必要という。バスはワンボックス車両の9人乗り(運転手除く)。立ち乗りはできないため、混雑時に乗りこぼしが発生することが懸念される。区は「時間帯をずらすなど、地域で譲り合って多くの方に利用してもらいたい」と話している。区は試験中、時間帯の利用状況をバス停に掲示するなどして啓発する予定だという。
地域交通サポート事業は現在13地区が取り組んでおり、試験運行が実施されたのは旭中央が3例目。試験運行を行った戸塚区小雀地区は09年7月に本格運行が開始され、港南区日野ヶ丘地区でも今年4月から本格運行が予定されている。
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