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旭区版 掲載号:2012年3月1日号 エリアトップへ

旭中央地区とコミバス 下 リスクよりニーズ 地元企業 地域のため尽力

社会

掲載号:2012年3月1日号

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事業者の二重交通(株)の篠崎社長と訓練用の車両(実際の色は白)
事業者の二重交通(株)の篠崎社長と訓練用の車両(実際の色は白)

 既存のバス路線などがない地域で、横浜市が地域の交通手段導入の取り組みを支援する「横浜市地域交通サポート事業」。市道路局によると、これまでに15地区が制度を利用しているが、試験運行にこぎつけたのは旭中央地区を含め3地区にとどまる。

 コミュニティバスの運行において、一番のネックは財政面。同事業では試験運行中は横浜市が赤字分を補てんするが、本格運行後の支援はない。地元ニーズに対する採算性が不透明なことから事業者が決まらず、試験運行に至らないケースも少なくない。市道路局の担当者は「採算がとれるのであれば、既にバスが走っている。リスクも高いため、事業者はなかなか決まりづらい」と話す。

 4月2日から試験運行が始まる旭中央地区では、本村町のタクシー会社「二重(ふたえ)交通株式会社」(篠崎智雄代表取締役)が事業者を務める。

 同地区は道が狭いため、事業者はタクシー業者に絞られる。そのため、同社は計画が始まった当初から声を掛けられていたという。篠崎社長自身もコミバス運行のリスクの高さは感じていたが、それ以上に決断を悩ませたのが「経験のなさ」。同社はタクシー専門で、バス部門はない。「バスとタクシーは運行方法が異なるし、運転手の教育も必要になる」。さまざまな課題を抱えながらも篠崎社長を動かしたのは「地域に大きくしてもらった」という地元への感謝の気持ちからだ。

「地域の足」として創業

 同社は1971年に篠崎社長が立ち上げた。当時は二俣川駅周辺にタクシー会社はなく、高額だった自家用車を持っている人も少なかった時代。「地域の足をつくりたい」。そんな思いからタクシー10台からスタートし、今では稼働率約100%を誇る企業にまで成長した。「あのころに比べると、街もずいぶん古くなった。長年お世話になった地域のために努力したい」。高齢化が進む街に何か貢献できればと使命感に駆られ、事業者になることを決意した。運転手はバス経験者を中心に決め、現在は接客態度などバス運転手としての心得を教育中だ。

 バスの乗車料金は一律300円。採算をとるには1日最低130人の乗車が必要だという。試験運行は2ヵ月が原則だったが、地域の要望やこれまでの事例を受け、市は4ヵ月に延長することを決めた。篠崎社長は「赤字でも地域の要望が強く、将来性が見えるのであればできる限り継続したい」と話している。

 また、バスは時間厳守が基本。同社は「道が狭いため、対向車両とのすれ違いでも時間がかかる場合がある。できるだけバスを優先して」と呼びかけている。

◇     ◇

 旭中央地区が4年の歳月をかけて実現させたコミバスの試験運行。その裏には地域の努力のほか、地元企業や行政のサポートなど大勢の力が結集している。今後も双方の協力は不可欠で、地域で支える努力が求められる。    (おわり)
 

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