2月に研修協議会を開いた旭保護司会の会長 松永 立子さん 今川町在住 72歳
間違えても、チャンスはある
○…罪を犯した人や非行に走ってしまった少年の立ち直りを支える保護司。旭区では現在43人の保護司が社会復帰するためのサポートをボランティアで担っている。更正保護の方法はその人それぞれ。時には再び犯罪に走るケースもある。それでも、「軌道修正できる希望は誰にでもある」と保護司の仕事を続けてきた。「社会に復帰させるのが私たちの使命」。顔がきりっと引き締まる。
○…保護司になったのは19年前。民生委員などを務めていた人望からか、地域の推薦を受けたのがきっかけ。保護司の仕事は保護観察を受けている人と月2回ほど面接を行い、指導や助言などを行う。「思春期は万引きなど一過性の場合もある。どう対処したらいいかわからないときもあるけど、正しい道へ導きたい」
○…これまでの担当は、もう数え切れない。更正後も年賀状などで交流が続いている人も。そのうちの一人に、印象深い女性がいる。当時58歳の彼女は身なりもきれいで、一見犯罪とは縁遠そうな人だった。そんな彼女が犯した罪は、万引き。夫から受けたDVのストレスを万引きで発散していたという。「彼女、面接のたびに涙を流してた。辛さを打ち明けられる人がいなかったのかな」と振り返る。冷静そうだが、一つひとつの言葉に重みがある。そんな人柄が、本音を引き出すのだろうか。その彼女も更正し、今ではヘルパー2級の資格を取得し、安定した生活を送っているそうだ。
○…自宅では生け花と書道の教室を開いている。書道は師範の腕前。やりがいを感じている保護司の仕事でも、どうしようもないこともある。そんな時、生け花や書道がいい気晴らしになっているという。保護司の定年まであと4年。残された時間でやりたいことは後世の育成。「あまり知られていないので、もっと知ってほしい。そして地域全体で支えてあげたい」。どんな人にもチャンスはある。そう願っている。
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