「全国の美容師が協力し合って、仲間たちの社会復帰をサポートできれば」。
EST=中希望が丘=オーナーの溝怜史さん(32)は昨年11月末、仙台市にある宮城県美容業生活衛生同業組合の本部を、1泊2日で訪問。支援物資としてカットクロス約50枚を届けた。
昨年3月の大震災以降、「何かできることはないか」と現地との連絡を試みていたという溝さん。10月、同組合にEメールを送ったところ、電話連絡がきて今回の現地入りにつながった。
本部には全国各地からカット用の椅子や鏡など多くの物資が届いていた。消耗品が不足しているとの声を聞き、スーツケースにカットクロスを詰め、単身現地へ。がれきが山積みになっている街並みを目の当たりにし、「写真は撮ってはいけないような雰囲気だった」と心境を振り返る。
組合の広報担当者との会話は5時間に及んだ。同組合では約400人が被災し、営業を再開したのは2人だけ。「お金や物よりも、精神的に立ち直れていない人が多いと聞いた」。震災後はボランティアや物資など多くの支援が寄せられたが、時間が経つにつれて減少傾向という。
宮城県内には、処理に推計20年以上かかる量のがれきやごみが未だ残されている。「報道や住民意識など、現地とこちらでは温度差も感じる。被害を受けた人たちが元の生活に戻るためには、継続支援が必要」。
所属する希望が丘商店会では2月、恒例の1人千円でのチャリティーカットを実施した。集まった約2万円は、加盟店に設置した募金箱の分と合わせて届ける予定。有志を募り、4月ごろの仙台再訪問を目指す。
「同業だから聞ける話もある。これからも地道に対話を続けていきたい」
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