横浜市は今年度から、全区を対象に75歳以上のひとり暮らし高齢者の見守り活動を充実させる事業を本格化している。行政が所有する同高齢者の個人情報を民生委員や地域包括支援センターに提供することで、新たな要支援者を把握するのが狙い。旭区でも来月から情報をもとに民生委員らが訪問活動を始める。
今回の「ひとり暮らし高齢者『地域で見守り』推進事業」は、昨年10月に瀬谷、緑、戸塚など9区25地域でモデル事業として市が進めてきたもの。区が住民基本台帳などで把握する個人情報を、民生委員と地域ケアプラザなどが担う地域包括支援センターに名簿にして提供することで、漏れのない見守りを目指す。
旭区が現在把握している同高齢者は約9千人。区では、旭区民生委員児童委員協議会(大越由美子会長)で分けている20地区のうち9地区を対象に事業を進めており、来年度中には全地区で進める方針。対象者には事前に通知され、本人の同意を得てから10月下旬ごろから民生委員らが訪問活動を始める。その状況を区、包括支援センター、民生委員の三者が把握し、今後に必要なケアを検討していく。区福祉保健課は「情報を開示することで、これまで地域と関わりのなかった人の状況把握につながれば」と期待を込める。
自治会で把握できず
民生委員は、自治会町内会の推薦と厚生労働大臣の委嘱を受けた地域住民が担い、地域福祉増進のために活動する。旭区内には現在318人が在籍しており、定期的に65歳以上の高齢者の見守り活動を行っている。これまで区が同高齢者の個人情報を提供することはなく、民生委員は地域の関わりの中で把握しているのが現状だった。そのため、以前から民生委員から情報提供を求める声は上がっていたという。
大越会長によると、最近ではひとり暮らしであることを隠す人や、家族葬、密葬が増えたことにより、自治会内でも把握できないケースが多いという。大越会長は「はじめは訪問を拒否されることもあるかもしれないが、近所の人に気にかけてもらうなどして呼びかけていきたい。民生委員だけでなく地域全体で見守る体制が整えられれば」と思いを語った。
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