創部100周年記念誌を発行した、希望ヶ丘高柔道部OB・OG会の会長 三橋 英夫さん 港南区在住 69歳
「柔(やわら)」の道 一直線に
○…1911年創部の希望ヶ丘高校柔道部。約1世紀におよぶ伝統が99年、部員不足により途絶える。これがきっかけとなり2001年にOB・OG会を立ち上げた。結束を強めようとこのほど100周年記念誌を発行した。背景にあるのは「柔道部を盛り上げたい」という思い。投げ込み用の練習マットや試合着などを寄付して資金面で部を支えるほか、時間があれば道場に行き、稽古をつけるなど技術面でも支援を続ける。
○…伝統が途絶える寂しさと、後輩に柔道に触れる機会を残したいという思いで「とにかくできることを」と畳掃除から始めた活動。部員募集のビラ配りなども続けたが、10年間はほとんど手応えがなかった。「結局は生徒が動かなければ部の復活はない。難しいかなと諦めかけていた」。そんな折、生徒2人による愛好会ができるという話が飛び込む。小さいながらも再びつながった伝統。2人が3年生になり、最後の大会でそれぞれ初勝利を飾ったときには、思わず目頭を熱くした。
○…柔道歴53年、その原点も同校の部活。「入学式より前に道着を買って、道場で受け身の練習をさせてもらったよ」。柔道部で忍耐や礼儀を学びながら、練習するほど級や段が上がっていく達成感に夢中になり、卒業時には黒帯を取得。現在は7段の腕前だ。マスターズの大会には毎年出場し、日本大会で2度の優勝、10年カナダ大会では世界を制している。そのうえで「勝ち負けより、ベストを尽くせたかどうかの方が重要になってきた」。
○…50歳を機に、柔道以外のスポーツにも挑戦しようと、妻・真砂子さんに誘われてテニスを始めた。「道場には笑顔なんてないから、テニスコートの雰囲気は目から鱗だった。こんなスポーツもあるのかと」。しかし2人の孫娘に教えているのはやはり柔道。「あまり押し付けると嫌いになっちゃうからさ。健康であればいいよ」。グランパは顔をほころばせ、孫たちの成長を願う。
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