高齢者の交流や外出のきっかけづくりを目指し、旭区内全11カ所の地域ケアプラザが連携して行う「合同歌声喫茶」。今年5月で4回目を迎え、旭公会堂は毎回約470人もの参加者で埋め尽くされる。参加型イベントを通じて、実行委員会では介護予防や食事会など、ケアプラザの身近な福祉保健サービスの周知にもつなげたい考えだ。
全国の飲食店や公共施設などでも普及している歌声喫茶だが、区内全てのケアプラザによる合同開催は、横浜市内で旭区のみという。歌謡曲などを大会場で一斉に歌うスタイルが特徴で、参加料はお菓子、歌集代など1人500円。ステージ上にも観覧席を設けるなど、演出にも工夫を凝らしている。
参加者は70代が中心の60〜80代で、主催者によると男女比はおよそ3対7。施設利用者の男女比の目安(約9対1)よりも、男性がやや多い傾向も見られる。
2010年の第1回開催時は今宿、南希望が丘、左近山ケアプラザの3カ所が主催。以降、区内全施設が参加するようになった。
実行委員会は区内ケアプラザのスタッフが中心だが、次回からは歌の会などを行う地域サークル主体による企画、運営に切り替えていく見通しだ。
実行委員長で今宿ケアプラザ所長代理の真鍋敦さん(51)は、「利用者の自立支援は、施設運営の目的の一つでもある。近隣住民やサークルが主体になり、合同歌声喫茶をはじめ施設ごとのイベントが盛り上がれば」と期待を込める。
施設利用の追い風にも
各ケアプラザによると、合同での開催以降、各施設主催の歌声喫茶への参加者は1〜2割ほど増加しているという。
開始当時から参加している今宿在住の小森政好さん(79)は「若いころによく足を運んでいた『歌声喫茶』という言葉につられて来てみたが、みんなで歌う楽しさを思い出した」と笑顔を見せる。以後、施設にも足を運ぶようになったという。
旭区福祉保健課の担当者は「合同歌声喫茶がきっかけで、口コミなどを通じてケアプラザの認知度は上昇傾向なのでは」とも。真鍋委員長は「歌声喫茶には一定のニーズがあるが、参加者の世代や環境、居住地などによって傾向はまちまち。要望や意見など、地道に施設利用者の声を聞きながらサービス向上に努めたい」と語った。
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