横浜市 退職手当 引き下げへ 8月から段階的に実施
今年8月から市職員の退職手当の支給水準を引き下げる条例改正案が市会定例会で5月30日に可決。市職員(一般職)の現行の支給額が2015年度には400万円程度削減されることとなった。
今回の措置は官民較差の解消などを目的とする、国家公務員退職手当法の改正に連動する形で全国の地方自治体で実施されるもの。
削減効果は26億円
現在、横浜市では一般職員が退職する際、最大で給与月給の約59カ月分(2700万円)が支払われているが、改正案ではこれをまず今年8月から約56カ月(2600万円)に引き下げる。さらに2014年度には約52カ月(2400万円)、2015年度には約50カ月(2300万円)に減額。同時に市長や副市長といった常勤特別職の退職手当も現行よりも最大で13%程度引き下げるとしている。
削減幅(約400万円)については、国が示したモデルケースとほぼ同じ水準。市では、この措置で15年度には約26億円の人件費の削減効果を見込んでいる。
横並びに不満も
生涯賃金の「後払い」という側面も持つ退職手当が大きくカットされる市職員側では「国の制度が変わったから(退職手当)画一的に400万円減らすというのは、あまりにも急すぎるのでは」といった声も。
市当局と交渉した横浜市従業員労働組合では「削減額の基準について市から具体的な根拠の明示がなかった」と説明。公務員である以上、決定事項には従うとしながらも「『国=(イコール)横浜』ではないのだから、市の財政状況などをもっと詳細に調査した上で(削減幅を)決めてもらいたかった」と不満をもらす。
自治労横浜市従業員労働組合も、こうした意見に概ね同調した上で、生活者の視点から民間への影響を懸念。「公務員の給与は民間の『お手本』ともいえ、さらに市の職員もそれぞれが消費者である以上、横浜の地域経済に与える影響が大きいのでは」と指摘する。
一方、引き下げ実施直前の「駆け込み退職増加の可能性」については「不透明」としている。
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