本紙では、濱陽太郎区長に昨年の振り返りや現状と課題などについて聞く、新春インタビューを実施。今春、全面開園を迎えるズーラシアなどに触れ「この先数年に予定されている大きな変化のきっかけとなる年」という考えを示した。(聞き手/本紙・渡部賢)
――2014年を振り返った印象をお願いします
「一番印象に残ることといえば、2月の大雪や台風18号・19号の災害ですね。人命の被害はなかったものの、区内でも崖崩れなどの被害がありました。また、畠山重忠公の生誕850周年をお祝いして、たくさんの行事がありました。私自身も『ザよこはまパレード』『区民まつり』で、甲冑パレードに参加させていただいたことが印象的です。ほかにも、五大路子さんによる詠み芝居など、さまざまな関連行事を通じ、旭区の歴史を改めて知っていただく機会になりました」
――そのほかの事業ではいかがですか
「10月に発行した散策ガイドブック『新・あさひ散歩』が好評で、多くの方にお買い求めいただけています。旭区ガイドボランティアの会の方々や連合自治会町内会、多くの企業の皆様の協力を頂き、冊子が出来上がりました。旭区内外の人たちに改めて旭区を知っていただき、多くの人たちに歩いていただきたい。また、帷子川では、鶴ヶ峰駅のすぐ近くまでアユが遡上していることが確認されています。このことを広く紹介するため、区役所1階に水槽を設置し、アユやオイカワ、ギバチなどを展示しています。小さな子どもが見ている姿を目にすると嬉しくなります。帷子川を身近に感じてもらえる機会になればいいですね」
――今年度の区政運営方針の進ちょく状況と今後の課題を教えてください
「毎年、『「安心」「健やか」「ふるさと」旭』を基本目標に取り組んでいます。旭区で育った子どもたちが将来どこで暮らし、どこで活躍するかわかりませんが、ふと思った時に自分が生まれ育った場所を思い返し誇れるような『ふるさと』を作り上げることが重要だと考えています。また、区のマスコットキャラクター「あさひくん」もお菓子やグッズに使われ、いろいろな場面で活躍しています。こういったことも『ふるさと』作りにつながっていると思います。そのほか、個別の事業ではモデル事業として旭区だけで取り組んでいる『市立保育所を活用した養育支援強化モデル事業』があります。今、左近山保育園では週2回、臨床心理士に来ていただいて、保育士に対する支援・助言を行っています。昨年7月には、報告会を行いました。有識者によるパネルディスカッションなどが行われ、今後はモデル事業としての成果を踏まえ事業を広げていきたいと考えます。また、2014年度の新規事業として『市営ひかりが丘住宅における相談・生活支援モデル事業』を行っています。ひかりが丘団地では、入居者の高齢化や一人暮らしの高齢者なども多く、自助・共助が困難となっていることを踏まえ、全世帯の個別訪問を実施しています。支援が必要な場合には関係機関と連携し支援につなげています。また、調査結果などから今年度内に課題整理や対応策を検討し、次年度につなげていきたい。地域組織の充実・活性化については、担い手不足を課題と感じている地域団体と、新しいことを始めてみたい方とのつながりづくりの場の提供として、『あさひみらい塾』を開講することができました。一般的に、65歳ぐらいで仕事から身を引かれる方が多いと思いますが、内閣府の調査では、定年後に何らかの社会貢献をしたいと考える人は約70%いるということです。『定年後に、自分は具体的に何をすればいいのか』と考えている人たちはたくさんいます。そういった人たちの背中をポンと押してあげ、『地域活動のきっかけづくり』『定年後の選択肢を増やす場』にすることができればと思います。『みらい塾』は新しい仲間との出会い、何かの役に立ちたいという受講生の熱気に溢れています。次年度以降も、ぜひ継続していきたい」
――旭区の現状と課題、将来像をどのようにお考えでしょうか
「よこはま動物園ズーラシアで『アフリカのサバンナ』ゾーンの整備が終わり、いよいよ今春、全面開園されます。旭区の誇りでもあるし、自慢でもあります。旭区の皆様はもちろんですが、そのほか、多くの方が全国から、もしかしたら海外からも来てくれるのではと思っています。この機会に多くの方に、旭区を知ってもらえるきっかけになれば。旭区としても、ズーラシアと一緒になって、さまざまな取り組みをしていきたい。また、2017年は『相鉄創立100周年』、2018年には『二俣川駅の再開発ビルのオープン』。また、その翌年以降も『相鉄・JR直通線開業』『旭区制50周年』『相鉄・東急直通線開業』など、旭区にとって、この何年間は大きな変化、もしくは大きなきっかけとなるようなことが続きます。旭区がどういう風に変わっていくのか、どういう風なものを残さなければいけないのか。変わっていかなければいけないものと、そして、ちゃんと大切に残すものとを考えていく、そういう何年間になるのではと思っています。そういう意味では、2015年はそれに向けた大切な1年だと思います」
――最後に区民に向けたメッセージをお願いします
「行政が取り組むことの問題と答えを教えていただけるのが地域だと感じております。これからも、区民の皆さんと一緒になって、さまざまな取り組みを進め、一緒に楽しんでいきたいです。そして、『ふるさと』旭区のまちを作っていく役に立てればと思います」
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