かながわ子ども・子育て支援大賞を受賞した「アレルギーを考える母の会」代表を務める 園部 まり子さん 本村町在住
”適切な医療”へ橋渡し
○…アレルギーで苦しむ子どもが適切なサポートを受けられるよう、各地で学校や保育所などの職員を対象に研修や講演会を開く。神奈川県との協働・委託事業としては7年目を迎え、約14000人が研修を受けてきた。「どこにでもアレルギーの子はいる。アレルギーの理解が広がるきっかけになればと続けてきた」と振り返る。全国を飛び回り、多忙を極めるが、疲労感を全く感じさせない。
○…同会では研修会などで理解を深めてもらう活動とともに、当事者の相談にも応じる。その中で、終わりのない治療に困り果てた人にたくさん出会ってきた。「ガイドラインに基づく適切な医療の普及が遅れている。だからこそ、適切な医療への橋渡しをしたい」と力を込める。「アレルギーはコントロールできる。医療機関や学校、保健センターなど社会全体で支える仕組みづくりが必要」と訴える。
○…次男は生後2カ月でアトピー性皮膚炎を発症し、その後も食物アレルギーや喘息、鼻炎、結膜炎と症状が重くなっていった。「周囲の理解は少なく、私自身が責められることもあった」。しかし、8歳のとき、かかりつけ医の紹介により専門医と出会ったことで、症状は劇的に改善。その体験をもとに、救急外来で知り合った旭区と保土ケ谷区の母親たちと1999年に同会を立ち上げた。「鶴の恩返しじゃないけど、苦しんでいる人に知ってほしかった」。子を思う母親の苦しみや喜びが、活動の原点だ。
○…活動日は365日。相談があれば、すぐに対応する。「一刻も早く普通の暮らしにしてあげたいから。適切な医療があれば、地獄の苦しみもなくなる」と意志を貫く。正直なところ、16年も会が続くとは思ってはいなかったという。しかし、ここまで来られたのは、相談者からの喜びの声があったから。「こんなによくなりました」という手紙や元気な姿の写真。「これがあるから、やめられないんです」と笑顔を見せた。
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