旭区版 掲載号:2017年3月2日号
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「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」のソロ・コンサートマスターを15年務める 石田 泰尚(やすなお)さん 川崎市出身 44歳

己を試し、駆け上がる

 ○…80人規模の奏者が集う、オーケストラのかじ取り役「ソロ・コンサートマスター」を神奈川フィルで担い、今春で丸16年。「神奈川県唯一のプロのオケ。これだけの人数が一つの音楽をやるってすごいこと。客席から見て、聴いてみてほしい」。世代を問わず多くの人を、心から楽しませたい。そう願い、弾き続ける。

 ○…川崎市で生まれ、3歳でバイオリンを始めた。野球やサッカーが好きだった少年は、小5でジュニアオーケストラに入団。心が揺れたのは、府中市の高校に通っていた3年秋。進路の候補だった付属大学の校舎を見学した。「何か違う」。そう直感し、音大を目指して猛勉強を開始。小6まで師事した、国立音楽大学出身の恩師の勧めで同大へ。女子学生が大半の音大で存在感を示し、自分はすごいと勘違いした時期があった。「現状に満足するな」。目を覚まさせてくれたのが、4年のとき教授に言われた一言だ。絶対、プロになる――。

 〇…その後、プロオーケストラから出演依頼が舞い込んだ。エキストラは後ろで弾くのが一般的だが、用意された場所はコンサートマスターの横。「(コンマスになれる)チャンスだと思った」。大舞台で緊張もなく、いい感触をつかんだ。大学を首席で卒業後、神奈フィルの常任指揮者の目に留まり、コンマスとして2000年夏にゲスト出演。翌年、その座に就いた。以降、ソロにアンサンブルと音楽の幅を広げ、今では多いときでひと月の半分が公演で埋まるほど。「このスケジュールでどこまでやれるか。自分を試してる」。特徴的な髪型や服装も、己に課すプレッシャーの一つだ。

 〇…観衆を惹きつける長渕剛さんは、中学時代からの憧れ。3年前に結成した、メンバーも分野も固定しない男性弦楽奏者の集団「石田組」が活動の軸だ。「堅苦しくなく聴きやすい音楽がいい。クラシックに限らず、気持ちよく聴いてもらえたら」。先頭に立ち、魂の音楽を全国に広めていく。

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