旭区弓道協会の会長を務める 清水 弘(ひろむ)さん 金が谷在住 71歳
弓を通して交流を
○…桜や桃など春の花が美しく咲く、金が谷にある旭区弓道協会の弓道場。静かな空間の中、矢が的にあたる音だけが響く。2代目会長を務めて今年で15年になるが、週3日は道場を訪れ、会員らの稽古を見守る。「弓を通して和気あいあいとやってもらいたい」と穏やかな口調で会への思いを語る。今年も5月から恒例の初心者弓道教室が始まる。新たな出会いを今から心待ちにする。
○…1979年に初代会長の故・栗原正治さんが自宅敷地内に弓道場を作り、翌年に前身の徹心弓道会が設立。当時5人からスタートした同会が会員増強を目指し始めたのが、初心者弓道教室だ。「袴姿がかっこいいとか、どんな理由でもいいんです。趣味として始めたい人も、レベルアップを目指したい人も大歓迎」と笑顔を見せる。実際に全くの初心者から全国大会に出場する強者まで、さまざまな会員がいるが、それぞれが自分の弓道を楽しんでいるという。
○…育ちは東京都だが、20歳のときに旭区にやってきた。35歳の時、仕事の関係で出会った初代の栗原会長の勧誘を受け、初心者ながら弓道の世界へ。初めての弓道は「難しかった」と苦戦したこともあったが、的に当たったときの爽快感や礼儀作法を重んじる武道の魅力を知った。3年前に脳梗塞を患い、現在は弓を引けなくなった。しかし、「稽古を見てきた人たちの成長を見るのは楽しい。外の大会で結果を出す喜びを味わわせてあげたい」と教え子を優しく応援する。
○…趣味は歩くこと。電車で千葉などに行き、三角点(三角測量するときの基準点)を探すコースを組む。時には山を登ったり、草むらをかきわけることも。「宝探しみたいで、冒険のよう」と笑う。住民に話しかけることも多いが、いつも全く警戒されないという。「人と接するのが好きなんです」。内側からにじみ出る人柄が、自然と壁を取り払うのだろう。
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