旭警察署(日下部裕也署長)は2月27日、県立二俣川看護福祉高校(江里口浩校長)と協力した初の特殊詐欺被害撲滅対策を実施した。同署が作成した啓発はがきに同校生徒が直筆でメッセージを書き込み、祖父母などに送付することで注意喚起を図った。
同署によると旭区内で昨年1年間に発生した振り込め詐欺などの特殊詐欺被害は76件、約1億4400万円。今年はすでに23件、約1億1486万円(2月末時点、暫定値)にのぼり、被害額は昨年1年間に匹敵するほどの状況だ。
被害状況を踏まえ、同署では新たな対策として二俣川看護福祉高校へ協力を依頼した。対策は同署が新たに作った手口などを記載したはがきに同校の生徒たちがメッセージと宛先を書き、各自の祖父母や親戚にあてて送付するもの。被害者に多い高齢者の孫世代から直接注意喚起を図ることで、被害を抑止するねらいだ。
協力したのは同校1・2年の生徒らで「だまされないように注意してね」「こまめに電話するね」など、それぞれの思いを記した。当日は郵便局の協力で郵便ポストを同校へ持ち込み、生徒たちは記入後すぐに投函。「怪しい電話があったら孫に電話をして」と書いたという男子生徒は「手口は巧妙になっているようなので、本当に気を付けてほしい」。近所に祖母が住んでいるという女子生徒は「『大切なことは直接会って話すね』と書きました」と話した。
同署生活安全課の担当者は「これ以上被害を出すわけにはいかない。電話でお金の話は詐欺。十分に注意するように伝えてほしい」と呼び掛けた。
金融機関で防止も
被害が増加する一方、金融機関で未然に防ぐ事例も続いている。
横浜信用金庫鶴ヶ峰支店では2月1日、「息子が株の取引で損失を出した」という理由で現金300万円を引き出そうとした利用者に対し、窓口担当の玉川歩さんが詐欺を疑って警察に通報。その後、息子へ確認すると電話はしていないことが判明し、詐欺被害を未然に防いだ。
被害防止の功績を称え、同署では2月21日に同支店へ感謝状を贈呈した。昨年5月にも被害を防いだ玉川さんは「被害を防げてよかった。典型的な事例で、支店長もすばやく連絡してくれた」と振り返った。
同署の日下部署長は「見ず知らずの人に現金を渡すケースはほぼ100%詐欺」と話し、引き続きさまざまな形で対策に取り組んでいくという。
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