上白根中学校(相原裕校長)の生徒が、10月7日(日)に開催されるパラリンピック種目「ボッチャ」の神奈川県大会に出場する。昨年まで同校に勤務した教諭を縁に、上菅田特別支援学校(保土ケ谷区)の児童との合同チームで大会に臨む。
「ボッチャ」は欧州で考案された障害者スポーツで、2020年東京パラリンピックの正式競技となっている。赤と青の球を6球ずつ投げたり、転がしたりし、ジャックボールと呼ばれる白いボールにいかに近づけるかを競い合う。多くの人が参加しやすいスポーツとして近年では障害者と健常者の相互理解を図るきっかけ作りとして中学校などで競技を体験するケースも増えてきている。
今回の合同チーム結成は昨年まで上白根中の教壇に立ち、現在は上菅田特別支援学校に勤務する木下学教諭が大きな役割を果たした。上白根中では特別な支援を必要とする生徒が在籍する学級「個別支援学級」が設置されており、同教諭は一般生徒と個別支援学級の生徒を分け隔てなく接するような空間づくりに努めてきたという。
障害のある児童が居住地域の学校との教育交流でボッチャを通じ、お互いの理解を深めている姿を見て「近隣の学校とボッチャを通じた交流ができないか」と上菅田特別支援学校の佐塚丈彦校長に相談。上白根中が呼びかけに応じる形で合同チームの結成が実現した。
神奈川で初の大会
今回、合同チームが出場する大会は「かながわパラスポーツフェスタ」の一環で開かれる「かながわボッチャ2018」。神奈川県が主催して初開催され、綾瀬市民スポーツセンター(綾瀬市)を会場に実施される。
9月15日には上菅田特別支援学校で、同校初等部の5年生4人と上白根中の生徒6人が参加して初練習を実施。初等部の児童たちがボッチャのルールを説明したのち、練習と試合を行った。はじめはお互いに遠慮していたが、次第に打ち解け合い1投ごとに作戦を話し合うなど、練習に熱が入っていた。上白根中の中村文哉君(3年)は「時間が経つにつれて打ち解け楽しく活動できた。大会に向けてさらに練習したい」と意気込む。
合同チーム結成に尽力した木下教諭は「健常者と障害者がお互いに理解できるきっかけを作り、これをモデルとして他の学校や地域にも普及させていくものにしていければ」とコメント。上白根中の相原校長は「特別支援学校と一緒の取り組みは初めてのこと。今回のボッチャをきっかけにして連携を深めていきたい」と話した。
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