旭区内で昨年2018年に発生した火災件数が前年比11件減の38件で、区制が始まった1969年から49年間で過去最少だったことが分かった。旭消防署によると、防犯カメラの普及による放火の減少なども背景にあるという。
横浜市内でも火災件数は大きく減少した。市消防局による今月11日の発表によると、市全体の昨年の火災件数は前年比153件減の701件となり、過去10年間で最少を記録。市内の出火率(人口1万人あたりの火災件数)も自治体消防が発足した1948年以降、初めて2・0件を下回った。
旭区は49年間で昨年初めて30件台を記録。同署の川村滋署長は減少した要因について「主な出火原因となっていた放火が減った」と説明する。背景には防犯カメラの普及などがあり、区内は前年比8件減の10件だった。
また、「たばこ」による出火も減少。川村署長は「健康志向の高まりによる喫煙率の低下や、電子たばこへの転換などで、自宅に火元となるライターやマッチが置かれない環境になったことも大きい」と指摘する。
一方、「こんろ」と「配線器具」による火災はわずかながら増えている。こんろによる火災は、鍋に火をつけたまま放置したことや、袖の長い衣服などに引火したことが主な原因。区内では昨年、飲食店でもこんろによる火災が発生している。
また、配線器具は長期間差し込んだままの電源プラグから出火する「トラッキング現象」に注意が必要だという。同署では、「ホコリのたまりやすい場所に差し込んだままの電源プラグに湿気が加わると危険。また、電源タップなど許容電力を越えて使用することも出火につながるので、各家庭でよく見直してほしい」と注意を呼び掛けている。
救急出場件数は過去最高に
市内、旭区内ともに昨年1年間の救急出場件数は過去最多を記録。市内では前年比1万356件増の20万3768件、旭区内は869件増の1万3451件だった。市内では救急車の適正利用が叫ばれた06年から08年の過去3年間は件数が減少したものの、09年以降は10年連続で増加しているのが現状だ。
旭区内は出場種別で急病が9205件と全体の約7割を占めており、前年比でも759件増加している。同署の川村署長は増加の要因として高齢化を挙げ、「深刻な人口減少に転じていく中で、高齢者人口は増加している。救急体制の継続維持は大きな課題になる」と指摘する。
区内1日あたりの出場件数は36・9件で、約39分に1回出場していることになる。区内には5隊の救急隊が配置されているが、心肺停止などの重症度に応じて消防隊が出場する体制も整備。救急隊が処置にあたる間の心肺蘇生や情報収集、搬送も行っている。川村署長は「救急出場要請に対して救急隊と消防隊が一体となり、全力で立ち向かう」と話している。
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